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COP29、ルーマニアのエネルギー相は垂直ガス回廊と原子力を推進(ルーマニア、ギリシャ、ブルガリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月20日 13時5分

アゼルバイジャンのバクーで11月11~22日の予定で開催されている国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)に出席したルーマニアのセバスティアン・ブルドゥージャ・エネルギー相は、ルーマニアとギリシャ、ブルガリアの3カ国を経由してガスを双方向に輸送する垂直ガス回廊や、原子力の推進を強調した。主な内容と声明は次のとおり。

ルーマニア、ギリシャ、ブルガリア各国のエネルギー相らは11月14日、垂直ガス回廊に関するハイレベルイベントを開催し、相互接続分野の協力文書作成に合意した。同イベントでは、天然ガスが脱炭素化への移行期の燃料として今後も不可欠だと合意し、欧州の安定供給と競争力のあるエネルギー価格を確保するため、輸入源の多様化が急務とした。ブルドゥージャ氏は「垂直ガス回廊はウクライナとモルドバのエネルギー安全保障を強化し、欧州のロシア産ガスへの依存を排除する上で極めて重要な役割を担っている。同時に、ルーマニアは急速に発展する相互接続により、全ての人にとって公平な欧州市場を支援する」と言及した。また、垂直ガス回廊やさまざまなエネルギー関連プロジェクトにより、ルーマニアは天然ガス生産国としてだけでなく、欧州への天然ガス輸送ハブとして位置づけられ、さまざまな供給源からの供給量を増加することにより、ガス価格の抑制に寄与するとした。

また、同氏は、一部の中欧と西欧の一部で相互接続インフラが不足していることを問題提起し、(1)既存の相互接続容量とその利用度の分析、(2)相互接続ラインのメンテナンス作業に関する欧州レベルでの調整、(3)国境を越えたエネルギーインフラ開発計画の加速、を解決策として提案した。

11月15日付「ルーマニアTV」の報道によると、ルーマニアのエネルギー省は同日、ブルドゥージャ氏がCOP29開催中のバクーで、チェルナボダ原子力発電所の3号機と4号機の開発契約を米国、カナダ、イタリアの企業連合と締結したことを発表した。ブルドゥージャ氏は「これはルーマニアのエネルギー部門にとって、ここ数十年で最も重要なプロジェクトだ。われわれは2031~2032年にこのプロジェクトを完成させるために、最も強力な国際パートナーを得た」と述べた。新しい2基の原子炉は、チェルナボダに1,400メガワット(MW)を超える設備容量を追加し、少なくとも30年の運転期間中、エネルギー生産量が年間1,100万メガワット時(MWh)超増加し、毎年少なくとも1,000万トンの二酸化炭素(CO2)を削減することが可能とされている。同プロジェクトが完成すれば、ルーマニアのエネルギー需要の約30%は原子力発電のみで賄われる見込みだ。

(小林京瑞)

(ルーマニア、ギリシャ、ブルガリア)

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