天然ガスプラントの基本設計開始、日系企業にも参画機会(モザンビーク)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月3日 1時20分
日揮ホールディングスは9月25日、同社の海外EPC事業会社の日揮グローバルと、フランスのエンジニアリング会社テクニップエナジーが共同で、モザンビーク北部エリア4天然ガス田の陸上液化天然ガス(LNG)プラント建設プロジェクトに関する役務の受注を発表した。
受注した役務は、エリア4ロブマ鉱区用LNGプラントの基本設計(FEED)役務、および設計・調達・建設工事(EPC)(注1)に係る見積役務で、契約先はモザンビーク・ロブマ・ベンチャー(MRV)となる。MRVは、ロブマ鉱区の開発を主導する米国エクソンモービルと、イタリア資源大手エニ、中国石油天然気集団(CNPC)から成るジョイントベンチャーで、エリア4の権益を70%保有している。LNGプラントは年産1,800万トン(150万トン×12系列)の規模になる見通しで、同プラントのLNG圧縮用コンプレッサーには、温室効果ガス排出削減のため、従来のガスタービンではなく電動モーターが採用される予定だ。
日揮とテクニップは、2022年にエリア4コーラル・サウス鉱区に導入された、浮体式液化天然ガスプラント(FLNG)のEPCも担当した(2022年7月5日記事参照)。また、米国のエンジニアリング会社マクダーモットは2024年9月30日、イタリアのサイペム、中国石油工程建設公司(CPECC)と共に、日揮などと同様の役務契約を受注したことを発表しており、本案件は2コンソーシアムによる競合形式になるとみられる。
エクソンモービルは今回の発表に先立つ8月27日、ロブマ鉱区プロジェクトがFEEDフェーズに入ったと発表していた。同社はFEEDフェーズの所要期間を約16カ月としており、最終投資決定(FID)前の最後のステップと位置付けている。同社の上流部門(注2)のリアム・マロン部門長は、8月15日に実施されたモザンビークのフィリペ・ニュシ大統領との会談で、2026年末までにFIDを発表する計画だと表明した。
(注1)プラント建設の工程において、FEEDは概念設計、実現可能性調査(FS)の後段階にあたり、FEED後にEPCに移行する。
(注2)石油・天然ガス業界における上流部門は、主に探鉱・開発・生産を担う。
(松永篤)
(モザンビーク)
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