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10月のカナダ消費者物価指数、前年同月比2.0%上昇(カナダ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月20日 11時30分

添付資料PDFファイル(314 KB)

カナダ統計局が11月19日に発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.0%の上昇で、9月の上昇率(1.6%、2024年10月21日記事参照)から0.4ポイント上回り(添付資料表参照)、上昇幅を拡大した。

統計局は上昇幅拡大の主な理由として、ガソリン価格が9月の前年同月比10.7%減少に比べて、10月は同4.0%の減少にとどまったことを挙げた。この減少幅の縮小は基準年効果の一部によるもので、2023年10月に原油精製マージンの低下と世界的な原油消費の低迷を受けて、前月比6.4%の下落が見られたことが影響している。ガソリンを除く全項目のCPIは、8~9月と同じ2.2%上昇だった。

品目別には、住居関連の価格は、住宅ローン利子費用指数の上昇率が鈍化したことで、住居関連費の上昇率の押し下げ要因となり、9月の前年同月比5.0%増と比較して、10月は4.8%と上昇が軟化した。家賃価格の上昇率も鈍化したものの、7.3%と引き続き上昇基調で高止まりしている。2021年10月と比較すると、家賃の価格は21.6%上昇している。食料品価格は前年同月比2.7%上昇と、9月の2.4%に比べより速いペースで上昇した。食料品価格の伸びが総合インフレ率を上回ったのは3カ月連続となる。

また、商品価格は前年同月比0.1%上昇し、9月の1.0%の減少から回復した一方で、サービス価格は9月の4.0%増から減速して3.6%上昇と、2022年1月以来の低水準だった。過去3年間で商品価格は10.2%上昇し、サービスの価格は14.2%上昇している。加えて、各自治体が毎年10月に価格設定する固定資産税やそのほかの特別料金も、前年比6.0%上昇し、1992年以来の高い伸び率となった。

発表を受けて、トロント・ドミニオン銀行の調査部門TDエコノミクスのディレクター兼シニアエコノミストのジェームズ・オーランド氏は同日、「発表されたデータはカナダ銀行(中央銀行)のインフレ安定化目標が順調には進まないことをあらためて示したもので、小さな後退とみなす公算が大きい。特に過去数カ月の経済回復力を考慮すると、25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げの可能性が高いだろう」とコメントした(TDエコノミクス11月19日)。

中銀の次回の政策金利発表は12月11日に予定されている。

(井口まゆ子)

(カナダ)

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