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財閥系ハイパーストアに聞く、新店舗出店や今後の可能性(バングラデシュ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月23日 1時20分

バングラデシュの消費市場は、新型コロナウイルス禍などを乗り越え、堅調な経済成長とさらなる好転の見通し(2024年7月5日記事参照)を背景に、着実に伸長している。ダッカでハイパーストアを運営する大手財閥系企業ユニマートは2023114日、次なる国内主要都市における需要の取り込み、店舗拡大戦略の足がかりとしてバングラデシュ北東部の、国際空港も立地する都市シレットへ初出店した。同社で副支店長(シレット担当)を務めるイシュティアック・アーメッド氏に、シレット店の取り組みや今後の可能性について聞いた(インタビュー:2024715日)。概要は次のとおり。

写真 イシュティアック副支店長(ジェトロ撮影)

イシュティアック副支店長(ジェトロ撮影)

(問)シレット店の概要、顧客層は。

(答)フロア構成はダッカと同様のイメージで、食品(1階)、ライフスタイル(日用品・化粧品・家具・おもちゃなど、2階)に加え、フードコート(3階)を有する。現在販売する食品のおよそ80%はバングラデシュの国内製品、20%が輸入品だ。一方、ライフスタイルフロアは、ジュート製品を除き、全て輸入品(95%程度)で、主な調達先は中国だ。バングラデシュ市場の消費性向として、シレットなど地方都市では特に、品物に応じてウェットマーケット(生鮮品市場)や近所の小規模小売店に出向き、価格交渉をしつつ購入するかたちが主流となっている。他方、当店の主要顧客である地元富裕層は、食品や日用品など必要な買い物を一度に済ます傾向がある。

写真 多くの食品が並ぶシレット店舗内(ジェトロ撮影)

多くの食品が並ぶシレット店舗内(ジェトロ撮影)

(問)直近の売り上げ状況について。

(答)食品は、魚(国産)、グレイン(コメ、豆など)に続き、冷凍食品(国内産90%、輸入品10%)の売り上げも好調だ。ライフスタイル製品に関しては、カラーコスメティック、ホームデコレーション、パーソナルケア(スキンケアやボディソープなど)の順に売り上げが高い。特に出店(202311)から20241月ごろまでは、シレット周辺地域からも消費者が多く訪れ混雑していた。その後、(売り上げ増減の)波はあるものの同店舗全体でみれば、おおむね右肩上がりの状況だ。

(問)顧客数や客層の拡大に向けた取り組みは。

(答)フライヤーを店舗近隣のモスクや学校で配布し、(安息日の)毎週金曜日の夕方には店舗前でキャンディーを子供たちに無料配布している。そこでスタッフが保護者から、購買ニーズなどに関してヒアリングしている。また、新たな商品販売を開始した際にはフェイスブックやインスタグラムを中心にSNSで告知し、既存顧客にはワッツアップ(通信アプリ)で最新情報を届けている。

写真 広報に活用されるフライヤー(ジェトロ撮影)

広報に活用されるフライヤー(ジェトロ撮影)

(問)今後の目標は。

(答)現在、1日当たりの来客者数は600人程度だが、まずは800~1,000人まで増やしたい。また、1人当たりの売上単価はおよそ1,500タカ(約1,950円、1タカ=約1.3円)であるところ、2,500タカ程度まで引き上げていきたい。さらに、自社で何らかの生産工場設立や海外からの直接輸入の拡大を通じるなどして、調達キャパシティーも広げていきたい。日本製品については、価格・調達コストを考慮すると一般的に容易ではないが、コスメやスキンケア、アクセサリー(女性のヘアクリップなど)、イヤホンやスピーカーなどの電化製品、子供用バッグや水筒(学校用品)など、高品質な日用品には特に大きなニーズがある。

(和田ちひろ)

(バングラデシュ)

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