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ジェトロ、日中新エネルギー車ハッカソンイベント(2024)を開催(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月9日 0時10分

ジェトロは9~11月にかけて、在上海日本総領事館との共催で「日中新エネルギー車ハッカソンイベント(2024)」を中国企業4社との間でそれぞれ開催した。目的は、中国の自動車市場で新エネルギー車(NEV)の販売台数が拡大する中、グリーン経済分野での日中協力を後押しし、日系自動車関連部品メーカーの販路拡大を支援することだ。また、今回のイベントでは、中国企業がNEVの開発や生産における課題やニーズを事前に共有したうえで、日系企業がそれらに対する解決案を提案するハッカソン形式(注1)で実施した。同形式により、互いに連携を希望する技術ニーズについて情報交換を行い、日系企業が中国企業の求める開発スピードや取引形態などのニーズを理解することで、円滑な連携を促進し、新たなビジネス機会を創出することを目的とした。

中国企業は、完成車メーカーの北京汽車、奇瑞汽車のほか、ワイヤ制御シャシ(車台)システムソリューションを提供するベンチャー企業のLeeKr Technology、大手Tier1自動車部品メーカーの聖龍股份(SLTP)の4社が参加した。日系自動車部品メーカーは、中国に進出する32社が参加した。日系企業からは、「中国自動車メーカーへの販路開拓につながった」「中国自動車メーカーのサプライヤーのニーズを理解することができ、今後、販路拡大を狙う上で参考になった」などの声が上がった。イベント終了後に、担当者ベースで製品製造における詳細な意見交換を行うなど、さらなる交流を深める企業もあった。

中国のNEV市場では、中国自動車メーカーの競争力が高く、2024年1~10月の乗用車販売台数に占める中国メーカーのシェアは64.6%に上る一方、日系メーカーは11.2%までシェアを落としている。また、ジェトロが11月26日に公表した2024年度海外進出日系企業実態調査(全世界編)では、中国進出自動車等関連企業の2024年の営業利益見込みについて、前年に比べて「改善する」との回答が13.9%、「横ばい」が25.3%にとどまったのに対し、「悪化する」は60.8%に上り、日系企業の厳しい景況感が表れている。他方で、今後1~2年の事業展開の方向性について、「現状維持」を選択した企業(注2)からは、「自動車市場は世界最大の市場で、電動化・自動化が一番進んでいる市場であるため、現状のビジネスを維持しながら、中国企業への拡販、他地域への貢献を図る」との声も寄せられている。今後、中国進出日系自動車関連企業は世界最大の自動車市場である中国において、中国企業との協業、競争をどのように展開していくか注目される。

(注1)ハッカソン(Hackathon)とは、ハック(Hack)とマラソン(Marathon)を掛け合わせた造語。 与えられたテーマに対し、それぞれの技術やアイディアを短期間で先方の要求に合わせたかたちで提案し、製品やシステム、アプリケーションなどを開発につなげていくイベント。

(注2)今後1~2年の事業展開の方向性について、中国進出日系企業の回答状況は「拡大」が21.7%、「現状維持」が64.6%、「縮小」が12.3%、「第三国(地域)へ移転、撤退」が1.4%だった(有効回答数762社)。

(神野可奈子)

(中国)

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