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UAE、営業利益見込みの黒字割合は域内最高で注目国2位、中東進出日系企業実態調査(アラブ首長国連邦、中東)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月7日 0時10分

ジェトロは2024年12月18日、「2024年度 海外進出日系企業実態調査(中東編)」を公表した。中東10カ国(注)に進出する日系企業236社(10カ国、201社から有効回答)に対して、現地での活動実態に関するアンケート調査を2024年9月4~24日に実施し、取りまとめたもの(2024年12月18日記事参照)。

2024年の営業利益見込みについて黒字と回答した進出日系企業の割合は、中東全体で69.1%だ。国別の黒字割合は、アラブ首長国連邦(UAE)が前年比2.5ポイント増の79.0%で域内最高だ。ジェトロが他地域でも実施した同様の調査による世界全体の黒字割合65.9%と比べても高い水準だ〔「2024年度 海外進出日系企業実態調査(全世界編)」参照〕。さらに、UAEでは、今後1~2年の事業展開について「拡大」と答えた割合は前年比7.2.ポイント増の60.2%だった。

UAEの魅力は市場規模や成長性、生活環境

UAEにおいて、投資環境面での魅力(複数回答可)は、「市場規模、成長性」が53.5%で最多、「駐在員の生活環境」が52.3%、「フリーゾーン/経済特区などのメリット」が51.2%で続いた。

なお、中東進出日系企業の今後の注目国(複数回答可)として、UAEは前年同様2位(59.6%)だ(1位はサウジアラビアの69.6%、3位はエジプトの25.1%)。UAEにおいて有望視するビジネス分野(複数回答可)は、資源・エネルギーが55.6%で最多で、インフラと消費市場がそれぞれ28.4%だ。資源・エネルギーでは、水素、天然ガス、燃料アンモニア、石油、再エネ(太陽光)の順で回答割合が多い。

ビジネスのコスト増などの課題も

UAEの投資環境面での課題(複数回答可)は、「不動産賃料の高騰」が前年比15.9ポイント増の60.2%で最多となった。「人件費の高騰」が42.2%、「法整備の未整備・不透明性」が37.3%と続いた。さらに、「各種手数料の高騰」も前年から10.1ポイント増の25.3%となり、ビジネスのコストの増加がうかがえる。紅海情勢悪化により輸送費も一時期は高騰した(2024年12月6日記事参照)。

また、UAE進出日系企業が、政治・外交的な動きが活動に「大いに影響がある」と「やや影響がある」と回答した割合は合計86.3%だった。特にイスラエル・ハマス衝突や紅海でのフーシ派攻撃(特集「地政学的影響を踏まえた中東・アフリカの物流動向」参照)を挙げた企業も多い。

なお、日系企業実態調査のアフリカ編では、エジプトやモロッコなどアラブ諸国も対象だ(2024年12月12日記事参照)。アフリカの注目国1位はケニア(2024年12月26日記事参照)、黒字割合は南アフリカ共和国で最多だ(2024年12月26日記事参照)。

(注)アラブ首長国連邦(UAE)、トルコ、サウジアラビア、イラン、ヨルダン、イスラエル、クウェート、カタール、バーレーン、オマーンの10カ国を対象。

(井澤壌士)

(アラブ首長国連邦、中東)

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