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政策金利をわずかに引き上げ、26.75%へ(ナイジェリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月1日 1時15分

ナイジェリア中央銀行(CBN)は7月22日と23日に、金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利(MPR)を50ベーシスポイント(bp:1%の100分の1)引き上げ、26.75%とした。MPCは、家計と物価安定に対して必要な措置を講じる決意を再確認し、前回に続いての引き上げ判断を行った(2024年5月30日記事参照)。MPRを中心とした非対称コリドー(注1)の幅については、これまで上限100、下限300のベーシスポイントとしていたのを、上限500、下限100に調整した。預金銀行の預金準備率(CRR)は45.0%、商業銀行のCRRは14%、流動性比率は30%に据え置いた(注2)。

ナイジェリア国家統計局(NBS)によると、2024年6月のヘッドラインインフレ率(総合インフレ率)は、5月の33.95%から34.19%に上昇した(注3)。前月比でみると、5月のヘッドライン、食品、コアのインフレ率は2.14%、2.28%、2.01%だったが、6月は2.31%、2.55%、2.06%と上昇した。こうした上昇があるものの、MPCは、金融政策の強化や政府の食料インフレ対策の措置(注4)などにより、物価は短期的には緩やかになると楽観的な見方を示した。

MPCはほかにも、外国為替セグメント間のスプレッドが縮小し(2024年2月16日記事参照)、為替市場の効率性が改善していることから、裁定取引や投機が減少していると言及した。その上で、安定した為替レートの信認を高めるために外貨準備高を増やす重要性を強調し、CBNに対して、ナイジェリアへの資金流入の改善を図るよう促した。また、今後、ナイジェリアでの石油精製能力の改善が図られることにより(2023年5月11日記事参照)、石油製品の輸入に費やしている外貨の削減への期待感を示した。CBNによると、ナイジェリアの外貨準備高が7月18日時点で370億5000万ドルと、6月末の347億ドルから増加し、商品とサービスの輸入をカバーする11カ月分に相当するとなっている。

次回のMPCは9月23日と24日に予定されている。

(注1)中銀が金利の上限と下限を定め、その範囲内で金利が推移するようにする方法を「コリドーシステム」と呼ぶ。

(注2)預金銀行は、中央銀行の認可を基に一般からの預金を受け入れ、信用を創出する銀行で、商業(コマーシャル)銀行も含む。本文中の商業銀行はマーチャント銀行を指し、企業への投資を主とした銀行。

(注3)2009年を基準年とする。

(注4)連邦政府は応急措置の一環で、食料品〔メイズ、もみ殻付き玄米、小麦、コウピー(豆類の一種)〕に対する150日間の輸入免税措置を発表している。ジェトロで当地税関に確認したところ、7月29日時点では、同措置の実行は確認できていない。

(フォラシャデ・オデボデ、奥貴史)

(ナイジェリア)

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