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最低賃金交渉決裂で無期限の全国ストライキ、1日で中断し再交渉へ(ナイジェリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月5日 15時40分

ナイジェリア労働会議(NLC)と労働組合会議(TUC)は、連邦政府との最低賃金交渉が決裂したため、6月3日に無期限で全国ストライキの実施を宣言した。

このストライキには、国家公務員や司法機関、議会、大学、ラゴス州の施設、発電会社、ナイジェリア港湾局、空港、一部の給油所、医療施設、銀行部門、その他の金融機関なども参加し、一部の給油所では行列が確認できた。

写真 給油所に向かう車の列(ジェトロ撮影)

給油所に向かう車の列(ジェトロ撮影)

2024年に改定する最低賃金額として、連邦政府が6万ナイラ(約6,240円、1ナイラ=約0.104円)と提示したのに対して、労働組合側は49万4,000ナイラを要求しており、大きく隔たっていたため交渉が決裂し、無期限のストライキの実施に入った。しかし、ボラ・ティヌブ大統領が最低賃金を6万ナイラ以上にすると発表したことを契機に、再交渉の合意に至り、NLCとTUCはスト開始の翌日の4日にストライキの中断を発表した。

今回両者が合意したのは、次のとおり。

最低賃金は6万ナイラ以上とする。
6月4日からの1週間で、最低賃金について三者委員会(連邦政府・州政府、民間、労働組合で構成)で協議する。
ストライキに参加した労働者に不当な扱いをしない。

今回のストライキでは、大都市ラゴスのアパパ港の運営や、航空便も国内線の運航停止が確認されていたが、国内線は4日午後から再開された。ナイジェリアでは通貨ナイラ安の傾向が続いており、3万ナイラのドル換算額は2019年4月時点で約98ドルだったが、5月時点では約20ドルに減少している(注)。ナイラ安による輸入価格の上昇に加え、ガソリン価格(2023年6月2日記事参照)の高騰やインフレが進み、金利も上昇(2024年5月30日記事参照)する中、今回のストライキはあくまで中断であり、今後の最低賃金交渉の行方が注目される。

(注)2019年4月1日の公定レートは1ドル306.45ナイラ、2024年5月30日では1482.982ナイラ

(奥貴史)

(ナイジェリア)

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