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12月の米消費者物価指数は前年同月比2.9%上昇、コア指数の伸びは低下(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月16日 14時20分

添付資料PDFファイル(284 KB)

米国労働省が1月15日に発表した2024年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.9%上昇と、前月の2.7%上昇から伸びが加速した。一方、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は3.2%上昇となり、5カ月ぶりに伸びが鈍化した。前月比でも、CPIが0.4%上昇と伸びが加速する一方、コア指数は0.2%上昇と伸びが鈍化した(添付資料図1、表参照)。CPIは市場予測と一致し、コア指数は市場予想よりも低い伸びとなった。なお、コア指数は、3カ月前比、6カ月前比で見た場合、それぞれ3.3%上昇(前月:3.7%上昇)、3.2%上昇(2.9%上昇)だった。

品目別に前年同月比でみると、エネルギーは引き続き下落したものの、下落幅が0.5%(前月:3.2%下落)と大きく縮小し、CPI全体を押し上げる要因となった。食料品は2.5%上昇と前月(2.4%上昇)からわずかに伸びが加速した。

コア指数のうち、衣料品(1.2%上昇)が前月(1.1%上昇)からわずかに伸びが加速するとともに、新車(0.4%下落)および中古車(3.3%下落)の下落幅が縮小するなどした結果、財部門は0.5%下落と前月(0.6%下落)からわずかに下落幅が縮小した。

一方、サービスは4.4%上昇となり、2カ月連続で伸びが縮小した。物価のうち3割のウエートを占める住居費も、4.6%上昇と2カ月連続で伸びが減速した。うち賃料の伸びは4.3%上昇(前月:4.4%上昇)、帰属家賃(注)の伸びは4.8%上昇(4.9%上昇)、テナント保険は1.7%上昇(2.0%上昇)と、いずれも伸びが鈍化した。そのほか、医療サービスや自動車保険などの伸びが鈍化した結果、住居費除くサービスは4.0%上昇と前月(4.1%上昇)からわずかに伸びが鈍化した(添付資料図2参照)。

今回のCPIはエネルギー価格が影響して伸びが加速したものの、コア指数は住居費の鈍化に支えられて伸びが低下した。連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め開始以降の新規賃料の伸びの鈍化を背景として、住居費の伸びは徐々に鈍化することが予想されていた。2024年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)でも、参加者から住居費の低下に期待が示されていたところ、予想どおりに低下したことはFRBの物価安定目標の達成に向けた大きな原動力になる可能性がある。こうした状況を背景に、リッチモンド連銀のトーマス・バーキン総裁は、今回のCPIの結果について「インフレが目標に向かって低下するというこれまでのストーリーを継続している」と歓迎のコメントを発した(ブルームバーグ1月16日)。ただし、トランプ次期政権下での政策の動向など、新たなインフレ上昇リスクも想定され、今後の物価の動向にはなお注意が必要だ。

(注)自己が所有する住宅(持ち家住宅)に居住した場合、家賃の支払いは発生しないものの、通常の借家や借間と同様のサービスが生産され、消費されるものと仮定して、それを一般の市場価格で評価したもの。

(加藤翔一)

(米国)

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