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2024年世界平和度指数、中東・北アフリカ地域は9年連続で最低(中東、アフリカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月25日 9時30分

オーストラリア・シドニーを拠点とするシンクタンクの経済平和研究所(Institute of Economics and Peace:IEP)は6月11日、「世界平和度指数2024年版(Global Peace Index 2024:GPI)」(注1)を発表した(2024年6月21日記事参照)。同報告書によると、世界9地域のうち、中東・北アフリカ(MENA)地域(注2)は9年連続で最も平和度が低い地域となった。IEPは同地域の平和度が最も著しく低下した理由として、「(2023年)10月7日のイスラエルへのテロ攻撃と、それに続くイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区での報復軍事行動」を挙げている。

MENA地域を国・地域別に見ると、最も平和度が高い国・地域はクウェートで、カタール(2位)、オマーン(3位)、アラブ首長国連邦(UAE、4位)、ヨルダン(5位)が続いた。クウェートは世界全体でも25位と平和度が高い国で、IEPによると、同国は「安全と治安」と「現在進行中の紛争」の両分野で平和度が高水準だ。

また、UAEは前回から31ランク上昇し、平和度の改善程度が世界2位となった。最も大きな改善が見られたのは「現在進行中の紛争」の分野で、IEPはUAEが近年、イランやトルコとの外交・商業関係を強化していることや、同国の財務力により、東アフリカや南アジアといったより広範な地域での関係改善に努めていることを指摘している。

他方、MENA地域で最も平和度が低い国・地域はイエメン(20位)で、スーダン(19位)、シリア(18位)、イスラエル(17位)、イラク(16位)が続く。イエメンは全世界で最も平和度が低い国(163位)でもある。

イスラエルは今回のGPIで最も平和度が悪化し、前回から11ランク低下した。また、パレスチナは前回から9ランク低下し、世界で4番目に平和度が悪化した国・地域となった。

(注1)GPIは、23の質的・量的指標を用い、現在進行中の国内・国際紛争の程度、社会の安全と治安のレベル、軍事化の度合いといった3つの領域にわたり、各国の平和の度合いを測定している。

(注2)IEPの定義する中東・北アフリカ地域は、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、イスラエル、イラク、イラン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、シリア、バーレーン、パレスチナ、レバノン、ヨルダン、アルジェリア、エジプト、スーダン、チュニジア、モロッコ、リビアの20カ国・地域を指す。

(久保田夏帆)

(中東、アフリカ)

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