広東省東莞市、2023年度個人所得税の優遇措置の申請受け付け開始（中国）

中国広東省東莞市の2023年度の個人所得税優遇措置の申請受け付けが10月21日から開始された。申請期限は11月30日午前0時（現地時間）となっている。

同措置は同市財政局、科学技術局、人力資源・社会保障局、税務局が2023年11月1日に発表した「東莞市が広東省・香港・マカオグレーターベイエリア（粤港澳大湾区）個人所得税財政補助策を実施するための弁法（暫行）」（東財規〔2023〕3号）に基づくもの。申請に当たっての具体的基準などを示すものとして、9月30日に科学技術局と人力資源・社会保障局がそれぞれ「高度外国人材」「緊急必要人材」の申請基準に関する申請ガイドラインを発表していた。

同弁法と申請ガイドラインの「高度外国人材」「緊急必要人材」の申請基準は次のとおり。

（1）高度外国人材

A：外国籍の場合、次のいずれかを満たす人材を指す。

1. 「外国人工作許可証（高度外国人材（A類））」「高度外国人材確認書」「珠江デルタ自主革新モデル区9市（注1）、掲陽市中独金属生態城（注2）外籍人員高度人材確認書」のいずれかの書類を取得した人材。
2. 中国、広東省、東莞市により認定されたその他の高度人材。

B：香港・マカオ・台湾籍の場合、次のいずれかを満たす人材を指す。

1. 「珠江デルタ自主革新モデル区9市、掲陽市中独金属生態城外籍人員高度人材確認書」を取得した人材。
2. 中国、広東省、東莞市により認定されたその他の高度人材。

なお、AとBいずれの場合でも、高度外国人材は東莞市の企業に勤務する中高層管理職、または中堅の生産技術人材で、所属企業は「科学技術イノベーション」「重点発展産業」、あるいは「哲学・社会科学領域」のいずれかに属する必要がある。

（2）緊急必要人材

A：香港・マカオ・台湾籍、その他外国籍、または長期の海外居留権を持つ留学帰国生または華僑。

B：課税年度に東莞市に登録のある企業と労働契約を締結している、または同市で独立開業、あるいは生産・経営活動に従事し、課税年度内に同市での勤務日数が90日超（90日を含まず）。

C：東莞市で納付した個人所得税の納税額が課税所得の15％超。

D：人材の所属企業は「科学技術イノベーション」「重点発展産業」、あるいは「哲学・社会科学領域」のいずれかに属する。

以上4点の基本条件を全て満たし、かつ、東莞市の指定する緊急必要産業（注3）の不足するポストに従事する人材を指す。

申請は広東政務サービス網（https://www.gdzwfw.gov.cn）で行うことができる。同サービス内で「広東・香港・マカオグレーターベイエリア（粤港澳大湾区）個人所得税優遇政策、財政措置（高度外国人材）」と検索すると、受理条件や問い合わせ窓口、電話番号などの概要を確認できる。

（注1）広州市、深セン市、仏山市、東莞市、中山市、恵州市、江門市、珠海市、肇慶市の9都市。

（注2）掲陽中独金属生態城は、広東省掲陽市で中国とドイツが共同で設立した工業園区。「省エネ・環境保護」「先進設備製造」「金属製品」を3大産業としている。

（注3）「次世代情報産業技術業」「ハイテク設備製造業」「新エネルギー産業」「新材料産業」「省エネ・環境保護産業」「情報通信・ソフトウエア・情報技術サービス業」「バイオ医薬産業」「金融業」の8産業。

（梁梓園）

（中国）