ジェトロ、韓国企業が集積する中国・江蘇省塩城市に日本企業のミッションを派遣(中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月23日 0時35分
ジェトロは12月9~10日に、中国の江蘇省塩城市に日本企業の投資環境ミッションを派遣した。在上海日本総領事館および塩城市人民対外友好協会の協力の下、塩城市のビジネス環境について日本企業の理解を深めることを目的として実施。機械メーカー、商社、金融機関など日本企業14社から21人が参加した。
このミッションの企画・実施に先立ち、江蘇省商務庁は3月に、「2024年は、欧州、米国、日本、韓国企業の江蘇省への投資誘致をさらに強化する」との方針を示していた(2024年4月2日記事参照)。塩城市は、韓国資本による投資が盛んな地としても知られる。1990年代初頭以降、累計1,000社以上の韓国系企業が塩城市に進出し、総投資額は100億ドルを突破。2万人以上の韓国人が塩城市に暮らしている。他方、日本企業による投資実績は限られている。
ミッションプログラムの一環として、12月9日に開催された説明会では、塩城市塩都区および塩城ハイテク産業区の概要と投資環境について紹介があった。江蘇省塩城市は中国沿海地域の中間エリアに立地し、海岸線の長さは582キロある。塩城港は、「一帯一路」沿線国を含む国内外の港と50以上の海上航路で接続されている。また、市内には4,426の河川や湖があり、豊富な自然環境があること、「一帯一路」や長江デルタ一体化、淮河経済ベルトなどの国家戦略が交差し、陸海空の立体的な交通網が整備されていること、太陽光・風力発電などのクリーンエネルギーによる街づくりを推進していることなどが紹介された。塩城ハイテク産業開発区(以下、開発区)管理委員会の担当者によると、塩城市の南部およそ70平方キロのエリアをカバーする開発区には近年、精密機器製造、太陽光発電、新エネルギー設備製造、現代サービス業の産業集積が形成されつつあるという。
ミッション団は2日間にわたり、同開発区に入居している電子デバイス製造、合成化工、産業機械の動力用蓄電池、車載用リチウムイオン電池製造、ペット用品などの企業6社を訪問し、製造現場を見学した。視察先企業から、事業概要や工場立ち上げの経緯などの説明を受け、税制面での優遇や政府からの支援など、投資環境についても意見交換を行った。視察先企業からは、塩城市への投資のメリットとして「広い工場用地の確保のしやすさ」「塩城港から既存進出地域の大連市、青島市にもアクセスがしやすく、海外への輸出がしやすい立地」「新エネルギー関係の産業が集積しているので、同分野の取引先へのアプローチがしやすい」といった声が聞かれた。
イベントの説明会の様子(ジェトロ撮影)
電子デバイス製造企業の視察(ジェトロ撮影)
塩城ハイテク産業開発区の様子(ジェトロ撮影)
(王艶、佐川将平)
(中国)
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