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ジェトロ、米テキサス州オースティンとブラゾスバレー地域に半導体視察ミッション派遣(米国、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月21日 0時20分

ジェトロは11月12~13日、米国テキサス州オースティンとブラゾスバレー地域(注1)に、日本企業・在米日系企業のテキサス州半導体市場調査ミッションを派遣した。ミッションには一般機械や重工業、化学、精密機械など製造業を中心に、商社、金融、運輸などの非製造業なども含め、テキサス州の半導体市場に関心を有する23人が参加した。

写真 ジョージ・H・W・ブッシュ大統領図書館でミッション団の集合写真(ジェトロ撮影)

ジョージ・H・W・ブッシュ大統領図書館でミッション団の集合写真(ジェトロ撮影)

テキサス州は法人所得税や個人所得税が無税(注2)で、税制面での優位性がある。こうしたビジネス環境が評価され、米石油大手シェブロンが2024年に本社移転を発表しているほか(2024年8月6日記事参照)、トヨタ自動車(2024年6月24日記事参照)、共英製鋼(2024年7月23日記事参照)、グーグル(2024年8月21日記事参照)など、多くの企業がテキサス州への投資を発表しており、近年、投資先や米国内での事業再編先として注目が集まっている。

ミッション団は初日、長沼善太郎・駐ヒューストン総領事とともに、テキサス州知事室や、オースティン経済開発公社のオポチュニティー・オースティン、テキサス大学オースティン校から、同州の経済や半導体政策について説明を受けた。また、同地に拠点を構える日系企業のレゾナックが同地の魅力に関して説明した。ミッション団はその後、半導体製造装置を生産する東京エレクトロンを訪問し、同社の人材トレーニングセンターを視察した。同日夜はブラゾスバレー経済開発公社などとネットワーキングディナーを行った。

写真 オポチュニティー・オースティンでテキサス州の経済や半導体政策の説明を受けるミッション団(ジェトロ撮影)

オポチュニティー・オースティンでテキサス州の経済や半導体政策の説明を受けるミッション団(ジェトロ撮影)

2日目はテキサスA&M大学の半導体製造施設ツアーやキャンパスを訪問した後、州都オースティンにある州議会議事堂でジェーン・ネルソン・テキサス州務長官を表敬訪問し、歓迎を受けた。州務長官はグレッグ・アボット州知事(共和党)の訪日に同行したことを話題に挙げ(2024年7月12日記事参照)、「ジェトロ主催の昼食会が訪日イベントでのハイライトだった」と語った。また、2024年には日本からテキサス州に件数で100、金額で100億ドルを超える投資があったことを挙げ、今後もこの関係を継続するために、テキサス州は惜しみない支援を行うことと、ジェトロはそのために信頼できる組織だとして、日系企業とジェトロに期待を寄せるコメントがあった。

写真 ジェーン・ネルソン・テキサス州務長官(左)とジェトロの河田美緒理事(ジェトロ撮影)

ジェーン・ネルソン・テキサス州務長官(左)とジェトロの河田美緒理事(ジェトロ撮影)

参加企業からは、「東京エレクトロンの人材育成の取り組みについて知ることができて良かった」といった声や、「テキサス大学オースティン校が主導する半導体コンソーシアムのテキサス・インスティテュート・フォー・エレクトロニクス(TIE)に関するハイレベルな情報を得られて良かった」といった声があった。また、進出を前提としている企業からは、同社が事業戦略に必要な情報を得ることができたとのコメントもあった。

ジェトロは世界各地のビジネス環境を視察するミッションなどを随時企画している。詳細は、ジェトロのイベント一覧ページから確認が可能。

(注1)ヒューストン(全米都市別人口4位)と、サンアントニオ、オースティン(7位、10位)、ダラス、フォートワース(9位、13位)を結んだ「テキサストライアングル」と呼ばれる地域の中心に位置する(2023年11月21日記事参照)

(注2)連邦税が州税とは別に課税されるほか、同州ではフランチャイズ税や資産税などが課税される。

(キリアン知佳、谷本皓哉)

(米国、日本)

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