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インド中銀が政策金利を6.50%に据え置き、スタンスは「中立」に変更(インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月15日 1時30分

添付資料PDFファイル(185 KB)

インド準備銀行(RBI、中央銀行)は10月7~9日に金融政策決定会合(MPC)を開催し、政策金利(レポレート)を6.50%に据え置くことを、委員6人中5人の多数決で決定した。また、金融政策スタンスを「緩和の縮小」から「中立」へ変更することを全会一致で決定した。今後も成長を支援しながら、インフレ率を目標値(4%±2%)に持続的に収めるとした。政策金利は2022年5月から6会合連続で引き上げられたが、2023年4月以降は10会合連続で据え置きとなった(添付資料図参照)。

インド統計・計画実施省(MoSPI)によると、消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率(インフレ率)は2023年12月に5.69%まで上昇して以降、低下傾向にある。直近の2024年7月と8月はそれぞれ3.60%と3.65%で、RBIの中期目標の4%±2%の中央値を下回っている。ただし、直近にインフレ率が鈍化したのは2023年のモンスーン期の降雨量が少なかったことに伴い、野菜などの食品価格が上昇していたことの反動(ベース効果)だ。RBIは声明文で、9月以降はベース効果が見込めないことから、インフレ率が大幅に上昇する可能性があると指摘する。他方、2024年はモンスーン期に平年を上回る降雨量があったことから播種(はしゅ)は順調で、食品価格が落ち着き2025年前半にはインフレ率は緩和すると予想している。

今後の国内経済についてRBIは、播種が順調であることが農業や農村部の需要を下支えし、製造業とサービス業に持続的な勢いがあることから、都市部の需要と消費は堅調に推移し成長が維持されると予想している。また、銀行貸し出しの堅調な伸び、企業や銀行のバランスシートが健全であること、政府の活発なインフラ投資などにより堅調さが見通せるとしている。2024年度(2024年4月~2025年3月)の実質GDP成長率は、前回のMPCの見通しを据え置き、前年度比7.2%になると予測している。

現地報道では、「RBIは金融政策スタンスを中立に変更したものの、引き続きインフレ率を目標値内に抑えることに注力しており、依然としてタカ派(金融引き締め)的な姿勢を維持している。また、利下げに向けた環境は整ってきていると判断しているが、インフレ率の上下両方向の変動リスクを注視したい意向が見て取れる」とのエコノミストの声を紹介している(「ミント」紙10月8日)。

(篠田正大)

(インド)

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