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主要経済研究所が冬季経済予測を発表、2024年はマイナス成長、2025年も下方修正(ドイツ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月23日 1時0分

添付資料PDFファイル(177 KB)

ドイツの主要経済研究所(注1)は12月に入り、一斉に冬季経済予測を発表した(添付資料表参照)。いずれの研究所も2024年と2025年のドイツの実質GDP成長率を秋季経済予測から下方修正した。平均すると、2024年のGDPはゼロ成長からマイナス0.2%へ、2025年は0.8%から0.3%へ修正された。

現地経済誌「ハンデルスブラット」(12月12日)は、研究所間で予測値の相違が大きい理由として、連立政権崩壊により前倒しになった総選挙(2024年11月14日記事12月19日記事参照)と、現在の産業の低迷がどの程度長引くのかという懸念が、不確定要素としてあり、予測を困難にしている、と報じた。

ifo経済研究所は、この状況を受けて2通りのシナリオを描いて経済予測を行っている。通常予測では、ここ数年の景気後退の要因は構造的なものと想定し、徐々に脱工業化が進み、企業が製造拠点を国外に移転させることで産業の空洞化が進み、2025年、2026年の実質GDP成長率はそれぞれ0.4%、0.8%にとどまるとした。他方、代替予測においてはより楽観的な見通しとなっている。法人税の減税、官僚主義の縮小、エネルギー価格の引き下げなど、政府により信頼性のある経済政策がとられることを前提に、2025年、2026年の実質GDP成長率をそれぞれ1.1%、1.6%と予測している。

各経済予測においては上記のほか、ドイツ国内の産業界の不可逆的な生産能力の低下、失業率の増加、米国での関税引き上げリスク、個人消費の弱まり、不確実性の高い政治情勢とそれに伴う2025年度予算の未成立など、ドイツ経済が直面する複数の問題が挙げられている(「ハンデルスブラット」紙2024年12月12日)。

企業の景況感も悪化

企業の景況感も悪化している。ifo経済研究所が12月17日に発表した2024年12月までの企業の景況感指数(2015年=100、注2)は、前月から0.9ポイント減の84.7だった(添付資料図参照)。2024年最高の89.0ポイントを記録した4月、5月以降、景況感はほぼ継続的に悪化している。現状指数は85.1ポイントで、過去1年間で最低の数字を示した11月の84.3よりはいくらか上向いたが、6カ月先の期待を示す期待指数は84.4で前月から2.6ポイント減と急落している。各研究所の予測と同様、企業も景気の先行きに明るい見通しを持てていないことがこれらの数字から読み取れる。

(注1)主要経済研究所とは、ドイツ経済研究所(DIW)(プレスリリース)、ifo経済研究所(プレスリリース)、キール世界経済研究所(IfW)(プレスリリース)、ハレ経済研究所(IWH)(プレスリリース)、ライプニッツ経済研究所(RWI)(プレスリリース)。

(注2)景況感指数は、自社の事業に関して、現状を表す現状指数と今後6カ月の期待を表す期待指数を総合したもの。

(打越花子)

(ドイツ)

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