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ウクライナの流通大手が来日、新規調達に意欲(ウクライナ、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月1日 1時10分

ジェトロは101823日、ウクライナの流通大手フォジー・グループから非食品部門の責任者らを招聘(しょうへい)した。東京と大阪で、同社と日本の中堅中小企業との商談を実施したほか、美容関連国際見本市「ビューティーワールドジャパン 大阪」において日本企業との商談を支援した。

フォジー・グループは、小売り、薬局、レストラン、銀行などを含む70社以上の企業から構成され、2022年のグループ全体の売上高は27億ユーロに上る。20222023年には、旗艦小売りチェーン「シルポ」をウクライナの17都市で19店舗オープンするなど、戦禍にあっても事業を拡大している(ウクライナ有力企業100、8月版参照)。

フォジーは、化粧品、頭皮用石けん、知育玩具、おむつ、防災グッズなど、ジェトロの「新輸出大国コンソーシアム(注1)」を利用する中堅・中小企業など、計7社と商談した。フォジーの担当者は、小売店舗やオンラインでの販売を想定し、品質、価格、パッケージデザイン、販売実績に加え、ストーリー性や供給能力を重視した。

フォジーは機能性を特徴とする価格の高い化粧品を、同グループの薬局でカウンセリング販売をする可能性も探った。美容にこだわるウクライナ人は、専門家のカウンセリングをもとに購入する傾向があるという。戦争により、シェルターでの滞在時間の増加や、水・電気の不安定な供給状況から、子供用玩具や簡易トイレなどの防災製品、洗い流さないシャンプー・リンスなども関心を示した。

日本側参加者からは、「一時的に避難を強いられることはあるものの、平時と変わらぬ生活が営まれていることに驚いた」「今現在も新しい商材を求めていると知ることができた」などの声が聞かれた。

写真 商談の様子(ジェトロ撮影)

商談の様子(ジェトロ撮影)

展示会でフォジーは、ウクライナのトレンドを念頭に、目元用パック、CBD商品(注2)、ホワイトニング歯磨き粉、頭皮用ブラシ、青汁などの健康食品をはじめとする幅広い商品を視察した。シルポ単体で1100万人以上の来客数を誇る小売りネットワークと、唯一無二の経験を通じて「顧客を幸せにする」というフォジー・グループの価値観をアピールし、日本企業との取引の可能性を探った。

同社担当者は、「特に戦争開始後、割引価格であることが、顧客の購買に大きく影響している。ウクライナにおける日本製品のプレゼンスはまだ低いため、幅広い購買層に訴求できる、手頃な価格の商品からプロモーションするのがよいだろう」と語った。

写真 シルポ店内の様子(フォジー・グループ提供)

シルポ店内の様子(フォジー・グループ提供)

写真 シルポでの販促イベントの様子(フォジー・グループ提供)

シルポでの販促イベントの様子(フォジー・グループ提供)

(注1)ジェトロによる、海外展開フェーズに即したハンズオン支援。海外展開を目指す中堅・中小企業に対して、海外展開戦略策定段階から実行段階まで、各国・地域事情、実務に精通した専門家が企業に伴走して支援する。

(注2)大麻草の成熟した茎や種子のみから抽出・製造されたCBD(カンナビジオール)を含有する商品。

(柴田紗英、榧木いくみ)

(ウクライナ、日本)

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