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イラン、BRICS内で南北輸送回廊を通してロシアと結びつき強化(イラン、ロシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月12日 11時5分

イランのメヘルダード・バズルパーシュ道路・都市開発相は6月8日、ロシアで開かれたサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)にあわせて開催された、BRICSの運輸相による会合に出席した。この中で同相は、南北輸送回廊(注1)では2023年に7億トンの貨物が輸送され、イラン領内を通過する貨物量は前年比60%以上の増加となる約1,700万トンだったとした。同相は、南北輸送回廊がBRICS加盟国間の物流分野の相乗効果を高めるとし、物流サプライチェーンのデジタル化と人材育成、イノベーションの準備ができていると語った〔6月8日付イスラーム共和国通信(IRNA)〕。

会合にはBRICS加盟国の運輸相らが出席し、バズルパーシュ道路・都市開発相は同回廊におけるイランの地理的な利点と潜在的な能力に言及した。カスピ海やペルシャ湾、オマーン海に11の港があり、1万5,000キロの鉄道網と、25万キロ超の道路、26の陸上の国境ターミナルを有し、最小限の時間とコストで陸路経由の地域および国際貿易ネットワークに接続できる可能性があると指摘した。

また、IRNAでは、本会合に関連して、特にロシアとの結びつきを強調した。ロシアのイーゴリ・レビチン大統領補佐官も、南北輸送回廊のイランの鉄道を通じてインドに石炭を輸出する計画を発表し(6月8日付IRNA)、会合終了後には、バズルパーシュ道路・都市開発相がロシアのロマン・スタロボイド運輸相とロシアと物流分野で協力を進めていく方法を話し合った。特にラシュト~アスタラ間の鉄道建設(2023年5月19日記事参照)など、両国間の鉄道協力の拡大について協議が行われた(6月8日付IRNA)。なお、最近では、道路・都市開発省が数日内に全長37キロのラシュト~カスピ海間の鉄道を開通させる予定と発表しており、南北輸送回廊の主要部分を成すとしている(6月1日付「テヘラン・タイムズ」)。

イランは、同じく欧米から制裁を科されているロシアと関係を深めており、直近では、イスファハーンのロシア総領事のアンドレイ・ジルツォフ氏は「現在、両国の貿易額は40億ドル超だが、今後、石油や運輸など多くの分野で2国間協力を拡大する必要性がある」と強調した(5月28日付IRNA)。また、ロシアのアレクセイ・オベルチュク副首相は、イランのユーラシア経済連合(EAEU)(注2)(2023年12月28日記事参照)のオブザーバー加盟を歓迎する、とEAEU政府理事会後に発言している(6月4日付IRNA)。

(注1)南北輸送回廊:イランなどを経由して、インドとロシアを結ぶ複合輸送網。

(注2)ユーラシア経済連合:ユーラシア経済協同体を前身とする経済同盟。加盟国は、アルメニア、カザフスタン、キルギス、ベラルーシ、ロシア。ほかに、オブザーバー国がウズベキスタン、キューバ、モルドバ。

(加藤皓人)

(イラン、ロシア)

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