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観光公共サービスに関する指導意見発表、外国語対応を拡充(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月13日 0時40分

中国の文化観光部など9部門は8月5日、「観光公共サービスの質の高い発展促進に関する指導意見」を発表した(文書は6月19日付)。意見では、今後3~5年以内に観光産業の質の高い発展にふさわしい観光公共サービスシステムを構築するとして、次の5つの主要な取り組みを進めるとした。

(1)観光公共情報サービスの最適化
(2)観光公共交通サービスの充実
(3)観光緊急時救援サービスの増強
(4)観光客に対するサービスの向上
(5)公共文化サービスと観光公共サービスの融合発展の促進

(1)では、スマート観光公共サービスプラットフォームの構築や、部門間・業種間の公共情報データの共有などを推進する。

(2)では、重点観光都市(注1)の列車の運行頻度の最適化、重点観光都市と観光地との間の観光列車の増発、観光都市と主な観光客居住地の間の航空便を増便する。

(3)では、A級以上の観光地(注2)が近隣の県級以上の総合病院と指定救援協力体制を構築するよう指導し、観光客の緊急時救護能力を高める。

(4)では、国外からの観光客に向けた公共サービスレベルの向上に向けた取り組みを進めるとして、主に次の4点を挙げた。

1. 観光案内所での外国語による相談サービス、外国語対応のマップや観光ガイドなどの無料提供、「i」マーク(注3)設置を拡充する。
2. 重点観光都市で外国語によるオンラインの情報提供・相談サービスを奨励する。
3. 重点観光都市の公共施設、A級以上の観光地・リゾート地などで外国語表示看板の設置をルール化する。
4. 国外からの観光客向け多言語予約インターフェースの開発を推進し、パスポートなどを有効な予約証明書として認め、必要な対面サービス窓口を残す。

このほか、国外からの観光客の支払い環境の最適化(2024年4月19日記事参照)、宿泊登記や観光地予約の利便性向上(2024年8月6日記事参照)などを推進するとした。

北京第二外国語学院観光科学学院の谷慧敏教授は「今回の意見は国外からの個人旅行客に対し、言語サービスの質向上を重点として、観光サービス向上を図るもの」と解説した(「北京商報」8月5日)。

(5)では、文化財の安全確保を前提とした、条件を満たす公共文化施設のA級以上の観光地への転換支援など、文化財の観光活用を促進する。

なお、在中国日系企業などで構成する中国日本商会が7月10日に発表した「中国経済と日本企業2024年白書」では、「観光施設、公共機関における多言語案内の整備と提供」などを求めている。

(注1)国務院が2022120日に公布した「第14次5カ年規画における観光業発展規画」では、観光ハブ都市として直轄市・広東省深セン市、各省・自治区の省・区政府所在都市および香港、マカオが、重点観光都市として、福建省アモイ市、山東省青島市、遼寧省大連市、広西チワン族自治区桂林市など25都市が、特色ある観光地として、敦煌、武夷山、シャングリラなど19カ所が挙げられている。

(注2)中国の観光地等級は、国家標準「観光地品質等級の区分と評定」などに基づいて評定する。等級は交通の便利さ、安全性、衛生面、観光客数など12要件で評定し、A(最低)、AA、AAA、AAAA、AAAAA(最高)の5等級に区分する。

(注3)「information」の略称で、ツーリスト・インフォメーション・センターなど、観光情報が確認可能な施設を示すシンボルマークを指す。

(蔣春霞)

(中国)

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