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タイ中銀、第2四半期金融政策レポートを公表(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月20日 0時50分

タイ中央銀行(BOT)は7月24日、2024年第2四半期(4~6月)の金融政策レポートを公表した。このレポートはBOT職員が四半期ごとに作成し、金融政策委員会(MPC)の承認を得て公表するもので、金融政策の決定の基礎となった最新の2024年の経済・インフレ予測を提供している。

同レポートによると、タイ経済は2024年に2.6%、2025年に3.0%成長する見通しだ。内訳を見ると、特に外国人観光客の人数や消費額の拡大が観光業を改善させ、経済成長を支えるとした。特に新型コロナウイルス禍後の観光業(外国人観光客)の回復は緩やかだったが、今後は高額消費が期待される中国や中東などからの来訪数の増加が見込まれるという。そのため、宿泊施設やその他サービスへの支出も拡大し、観光消費は伸長すると予測される。また、近年は一度に数カ国を旅行する外国人観光客が増加し、タイへの滞在も短期間になる傾向が見られた。しかし、7月に政府が観光ビザの免除期間を30日から最大60日まで拡大したことが外国人観光客の長期滞在を促すだろうとしている(2024年7月29日記事参照)。

民間消費については、前年よりは緩やかなペースだが、2024年に4.2%増、2025年に2.5%増を見込んでおり、中でもサービス分野の成長が引き続き同国経済の成長に寄与するとした。さらに、段階的な雇用や家計所得の回復も民間消費の継続的な拡大を後押しするとした。

このほか、政府の2024年度予算が承認されたことから、第2四半期以降の公共投資(2024年に3.6%増、2025年に2.6%増)の加速も経済成長を後押しする要因として挙げた。

他方で、輸出と製造業の伸びは弱いとした(輸出は2024年に3.9%増、2025年に3.2%増)。特に輸出の回復が遅い点については、自動車・同部品の輸出の縮小による影響が大きいとした。2024年の自動車輸出は、ASEAN市場を中心とする外需の鈍化や、中国の過剰な生産と輸出、国際市場での電気自動車(EV)のシェア拡大などの影響を受けている。今後は部品数がガソリン車(ICE)の10分の1ともいわれるEVが国際市場でシェアを拡大すれば、タイの自動車部品輸出が縮小するリスクに直面すると分析している。一方、自動車部品輸出の32%を占めるタイヤやホイール、シャーシなど、ICEとEVの両方に必要となる部品の輸出は、経済成長が堅調で在庫水準の低い米国からの需要増がタイの自動車部品輸出をある程度下支えすると予想した。

インフレについては、ヘッドラインインフレ率を2024年は0.6%、2025年は1.3%と予測。コアインフレ率は、2024年を0.5%(前回0.6%から下方修正)、2025年を0.9%と見込み、6月には4会合連続で政策金利を2.5%に維持した(2024年6月26日記事参照)。

(藤田豊)

(タイ)

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