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エムポックス対策、医療従事者と濃厚接触者にワクチン無償提供へ(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月5日 16時0分

シンガポールのオン・イエクン保健相は9月4日の記者会見で、エムポックスの感染対策として、感染リスクの高い医療従事者と濃厚接触者を対象に、デンマークの製薬会社ババリアン・ノルディックのワクチン「ジニオス(JYNNEOS)」を無償提供すると発表した。シンガポールでは同日までに、感染力の高いコンゴ盆地型(クレードI)の感染事例は確認されていない。感染力の低い西アフリカ型(クレードII)の感染者は2024年1月1日から8月24日までに13人が確認された(2023年通年の感染者数:7人)。

保健相は、インフルエンザや新型コロナウイルスと比較すると、クレードIの感染力は弱いと指摘した。このため、現時点では接触者の追跡調査と隔離によって感染拡大を防止できていることから、「住民全体へのワクチン接種を推奨しない」としている。同相は、エムポックスの感染が確認されている国々への渡航者にもワクチン接種を推奨しないと述べ、現行のワクチン接種方針をとり続ける限り国内のジニオスの備蓄が十分だとの認識を示した。

また保健相は、エムポックスの感染が主に家庭内などでの身体接触を通じて起こることから、現時点ではマスク着用の推奨を行わないとしている。ただし、エムポックスが公共の場で空気感染する証拠が確認されれば、公共交通機関や混雑する屋内施設などでのマスク着用義務を検討する考えを示した。

水際対策を強化、感染地域からの渡航者の空港でスクリーニング

同国では、エムポックスの水際対策として空港や港で、感染地域からの渡航者や乗務員の検温や目視でのスクリーニングを始めている。また、国民を含む全ての渡航者が入国前3日以内にオンラインでの提出を義務付けている入国カード「SGアライバルカード」での健康申告で、発熱や発疹などエムポックスの可能性がある症状の申告が求められるようになった。感染が疑われる渡航者は入国時に医師の診断を受け、追加検査が必要であれば病院に移送される。

保健省によると、クレードIの感染が確認された場合、同省は直ちに濃厚接触者の調査を開始する。濃厚接触者は指定施設に21日間隔離される。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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