EU理事会、人権・環境デューディリジェンス法案採択、2027年以降に順次適用開始へ(EU)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月28日 10時35分
EU理事会(閣僚理事会)は5月24日、企業活動による人権や環境への悪影響を予防・是正する義務を企業に課す企業持続可能性デューディリジェンス指令案を採択した(プレスリリース)。同指令案は、欧州議会が既に4月の本会議で採択していることから(2024年4月26日記事参照)、EU官報への掲載から20日後に施行され、施行後2年以内に実施される各加盟国による国内法化を経て適用される。
同指令案によってデューディリジェンス実施義務の対象となるのは、EUの加盟国法に基づいて設立された企業(EU企業)については、(1)全世界での年間純売上高が4億5,000万ユーロ超、かつ(2)平均従業員数が1,000人超の企業。日本を含む域外国法に基づいて設立された企業(域外企業)については、EU域内での年間純売上高が4億5,000万ユーロ超の企業。域外企業については、従業員数基準は課されない。なお、企業が単独で上記の基準を満たさない場合でも、グループ全体で上記の基準を満たす場合、最終親会社は義務化の対象となる。
同指令案は、上記の世界売上高基準と従業員基準を満たすEU企業と、EU域内売上高基準を満たす域外企業を対象に、大規模企業から段階的に適用開始される。2027年以降は売上高15億ユーロ超、かつ従業員5,000人超の企業、2028年以降は9億ユーロ超、かつ3,000人超の企業、2029年以降は指令の対象となる全ての企業に適用される。
人権・環境保護関連規制の導入相次ぐ
EUでは同指令案のほかにも、EU域内外での人権・環境の保護を目的とした規制が続々と導入される。森林破壊防止のためのデューディリジェンス義務化に関する規則(2024年3月27日記事参照)は施行済み、強制労働により生産された製品のEU域内での流通、EU域外への輸出を禁止する規則案(2024年3月12日記事参照)も施行が見込まれている。
(吉沼啓介)
(EU)
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