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ペルー産業界、今後の対米ベースライン関税とFTAの維持可否を冷静に判断(ペルー、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月11日 0時55分

米国大統領選の結果を受け、ペルー産業界では、ベースライン関税適用の有無とペルー・米国自由貿易協定(FTA)が維持されるかどうかの2点が最大の関心事だが、危機感を募らせるというよりは冷静に様子を見る姿勢に徹している。

地元経済紙「ヘスティオン」は、10月7日付の紙面でエコノミストの見方を紹介している。ペルー経済研究所(IPE)のディエゴ・マセラ氏は「まず前提として、米国で政権が変わってもペルーを狙った直接的な要求はないと思われる。中国を除く国では10~20%のベースライン関税になる可能性があり、心配ではあるが、まずは様子を見る必要がある」とコメントしている。

また、ニュース専門ケーブルテレビ局「カナル・エネ」に出演した経済学者のエルメル・クーバ元中央銀行理事は、ペルー・米国FTAについて、2009年に発効しているが前回のドナルド・トランプ政権時代にも変更されることはなかったことから、トランプ氏のペルー・米国FTAに対する関心は低いだろうとコメント。「トランプ氏の関心は対中政策にあり、中南米地域では米国に隣接するメキシコを除けば影響は大きくないだろう」との見方を示した。

ペルー国税庁によると、2023年の米国への輸出額(FOB)は91億6,608万ドルで、中国に次いで2番目に大きな輸出先となっている。主な品目は銅、金、スズなどの資源とブルーベリー、生鮮ブドウ、アスパラガスなどの農産品で全体の7割以上を占めるが、これらの品目は米国の製造業の雇用などに影響がないことから、大きな危機感に至っていない。

海外送金に課税なら家計に影響も

次期副大統領のJ.D.バンス上院議員は、海外送金に10%課税することを提案している。ペルー中銀によると、2023年の米国からの海外送金の年間平均額は297ドルで、送金回数は720万4,000回だった。これを掛け合わせると、年間で約21億3,959万ドルの送金があったと推定され、ペルーのGDP全体の1%弱に相当する。課税が実現すると、米国に住む親族からの送金で生計を立てる世帯は影響を受ける可能性がある。

(石田達也)

(ペルー、米国)

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