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トランプ氏が選挙集会で銃撃される、バイデン大統領はテレビ演説で事件を非難(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月16日 11時20分

米国ペンシルベニア州バトラーで7月13日に開催されたドナルド・トランプ前大統領の選挙集会で銃撃事件が発生し、同氏は同日に自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」上で、「右耳の上部を貫通する銃弾を受けた」と投稿した。

米国連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官の7月14日の記者会見によると、銃撃事件により、集会参加者1人が死亡、2人が重傷を負い、同局が特定したとする犯人1人も死亡した。また、国内テロ・暗殺未遂の可能性があるとして、国家安全保障と刑事事件の両面で同局が捜査を進めていると説明した。

ジョー・バイデン大統領は7月14日にテレビ演説を行い、「いかなる暴力行為も米国では許されない」と述べて事件を非難した。また、「米国の民主主義において意見の相違は避けられない。それが人間の本質の一部だからだ。しかし、政治が、文字どおりの戦いの場や殺戮(さつりく)の場になることは、決してあってはならない」「それぞれの信念がどんなに強いものであったとしても、決して暴力に走ってはならないという責任が、われわれひとりひとりに課せられている」「銃ではなく投票箱で相違点を解決するのがわれわれのやり方だ。米国を変える力は常に人々の手に委ねられるべきであり、暗殺者の手に委ねられるべきではない」と述べ、米国民に対して平静を呼びかけた。

米国主要メディアは、銃撃事件の発生直後に流血したトランプ氏の様子を繰り返し放映・掲載した。11月の大統領選挙に向けては、アメリカン大学の歴史学教授のアラン・リヒトマン氏は現地テレビのフォックス(FOX)の取材に対し、「トランプ氏は米国民にとって英雄的な生存者に見えるかもしれない」と述べた一方で、「連邦議事堂襲撃事件を扇動・放置したような暴力の集大成のように見えるかもしれない」とも指摘している(FOX7月14日)。また、現地紙「ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)」紙は、「銃撃事件を生き延びたトランプ氏と、選挙戦にとどまる資質が疑問視されるバイデン氏との間には、これ以上ないコントラストがある」と指摘した一方で、ロナルド・レーガン元大統領(共和党)の暗殺未遂の際には、世論調査の支持率がわずかに上昇するも数カ月以内に元の水準に戻った事例を挙げつつ、今回銃撃事件の選挙戦への影響を理解するには「少なくとも数日~数週間はかかる」との有識者のコメントを掲載している(「WSJ」紙電子版7月14日)。

(葛西泰介)

(米国)

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