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欧米大手アパレルブランドを招聘、日本のサステナブルな素材開発・製造に関心(大阪、京都、和歌山、スウェーデン、米国、イタリア、フランス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月16日 10時55分

ジェトロは12月2~6日に欧米の大手アパレルブランドのバイヤー5社を招聘(しょうへい)し、大阪と和歌山で商談会、京都と和歌山で産地視察を行った。参加したバイヤーは商談会や産地視察を通じて、日本の事業者によるサステナビリティに配慮した製品開発や製造に高い関心を示した。

今回訪日したのは、スウェーデンのAcne Studios AB メンズ・ウィメンズ、米国のHelmut Lang、フランス(注1)のLOEWE、イタリアのIMAX S.R.L(Max Mara Group)、SEBAGO(BasicNet Group)の5社。大阪で開催された商談会には、関西圏を中心に全国から83社が参加し、3日間で延べ415件の商談が行われた。日本有数のニット産地の和歌山での商談会には、丸編みニットを主流とする和歌山ニットや高野口パイル(注2)の事業者など13社が参加し、延べ65件の商談が行われた。

国内事業者からは、間伐材や不要になった釣り糸を原料としたアップサイクル素材(注3)など、アパレル業界のサステナビリティ志向を捉えた提案が行われた。バイヤーは多くの日本の事業者がサステナブルな製品の開発に取り組む姿勢を高く評価する一方、ブランドによる調達基準は年々厳格化しており、リサイクルやオーガニックの素材の場合、その使用量が一定水準を満たすことを証明する国際認証を取得することが重要という点を強調した。また、コットンやウールのような天然素材については、産地を証明する資料の提出が必要だと指摘した。

写真 大阪での商談会(ジェトロ撮影)

大阪での商談会(ジェトロ撮影)

京都の産地視察では、自治体(京都府)や西陣織工業組合、デザイン、プリント分野の事業者を訪問した。産地視察に参加したバイヤーは「京都が繊維の産地であることを初めて知った」「京都の分業制や独自性、職人の技術の高さを理解できた」と語り、伝統技術を現代テキスタイル産業に応用する取り組みに関心を示した。

和歌山では、ニットを中心としたテキスタイルメーカー4社を訪問した。その中の1社のコメチウでは、世界的に希少な編み機によって時間をかけながら糸にストレスをかけずに生地を編み上げることによって、優しい手触りを実現するだけでなく、糸のロス率低下につながっていることを説明され、参加者の関心を引いた。

写真 コメチウでの視察(ジェトロ撮影)

コメチウでの視察(ジェトロ撮影)

欧米を中心に、アパレルを含むファッション業界でのサステナビリティの重要性がますます高まっている。ジェトロでは、日本のテキスタイル事業者が素材認証をはじめ、環境や人権への配慮など、持続可能な社会への取り組みに対応できるよう、情報発信を強化している(調査レポート「テキスタイル・ファッション分野におけるサステナビリティ動向」2024年11月18日付地域・分析レポート2024年12月3日付地域・分析レポート参照)。

(注1)LOEWEが傘下に入るLVMHグループの本社所在地

(注2)橋本市高野口町を中心とした地域で生産されてきたパイル織り物・編み物の総称

(注3)本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生した素材

(太田真之、西宮眞喜子、村田菜美、山下貴弘)

(大阪、京都、和歌山、スウェーデン、米国、イタリア、フランス)

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