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米イリノイ州、シカゴ市に米初の商業規模の量子コンピューティングキャンパス建設を発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月1日 0時20分

米国イリノイ州のJ.B.プリツカー知事(民主党)は7月25日、シカゴ市南部に米国初の商用規模の量子コンピューティングキャンパス「イリノイ量子マイクロエレクトロニクスパーク(IQMP)」を建設すると発表した。また、同施設の主要入居企業が実用的な「誤り耐性量子コンピュータ(Fault-Tolerant Quantum Computer)」を開発するスタートアップのサイクオンタム(PsiQuantum、本社:カリフォルニア州)となることも発表した。同州の発表によると、IQMPは最大200億ドルの経済効果と数千人の雇用創出を見込んでおり、今後数カ月のうちに追加の入居企業が発表される予定だ。

IQMPの建設地は、直ちに開発を開始できる敷地が128エーカー(約0.52平方キロ)、さらに312エーカー(約1.26平方キロ)の拡張が可能となっている。また、ミシガン湖とカルメット川に近い立地は機器の冷却に必要な水源から近く、大規模な電力需要にも対応でき、州間高速道路や鉄道、水路へのアクセス、シカゴ大学や量子研究ハブのシカゴ・クオンタム・エクスチェンジなどのパートナーが近隣に存在するなど、イリノイ州でもトップクラスのインフラを活用できる戦略的立地となっている。

今回のIQMPの建設によって、入居企業となるサイクオンタムがイリノイ州から受けるインセンティブは、同州のMICRO法(Manufacturing Illinois Chips for Real Opportunity Act)からの助成を含む資本助成金、労働力開発支援、低利融資などで、総額2億ドルに上る。MICRO法に基づく契約には、企業による最低10億9,000万ドルの投資と、少なくとも154人の正規雇用の創出が明記されている。

プリツカー知事は「イリノイ州を世界的な量子コンピューティングの首都にするというわれわれの構想は、IQMPによってさらに明確になった」とし、「ここシカゴ市南部に経済投資とイノベーションの無限の機会をもたらす」と述べた。なお、IQMPは、イリノイ州が米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)と新たに提携し、DARPAの新しい量子ベンチマーク・イニシアチブの一環として、量子コンピューティングのプロトタイプをテスト・評価する施設にもなっている。

(星野香織)

(米国)

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