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港湾の混雑、長期化を懸念する声も(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月3日 14時0分

シンガポール海事港湾庁(MPA)は5月30日、「シンガポール港における船のバース(注)着岸までの待機時間の延長に対するメディア質問への回答」を発表した。「予定外に入港するコンテナ船の増加、シンガポール港でのコンテナ取扱量の増加により、コンテナ船がバースに着岸するまでの時間が長くなっている」と指摘。入港直後にバースに着岸できない場合の平均待ち時間は約2~3日に達する、とした。

MPAは、喜望峰を迂回する船が、世界の主要港到着スケジュールを混乱させ、混雑を引き起こしているとし、「シンガポールへの入港が2024年初頭以降、大幅に増加している」と言及。また、「スケジュールの遅れを取り戻すため、他の港に停泊せずシンガポールで荷揚げするコンテナ船により、シンガポールのコンテナ取扱量が増加している」との見解を示した。2024年1月から4月までのコンテナ取扱量は前年同期比8.8%増の1,336万TEU(20フィート換算のコンテナ取り扱い個数)に拡大した。

シンガポール港での混雑について、在シンガポール物流関係者からは、(1)紅海の混乱により欧州航路が喜望峰周りに変わったことで航海日数が伸びたことによる船腹不足、(2)米国での小売りを中心とした輸入増加(アジアから米国向けの貨物増加)、(3)欧州における夏季休暇期間に向けた在庫積み増し(アジアから欧州向け貨物増加)などを背景に、アジアと米欧を結ぶ東西航路の母船への積み替え港であるシンガポールとクラン港(マレーシア)で混雑が起きている、との声が聞かれる。シンガポールでのバース混雑、船のスケジュール遅延といった状況は数カ月続く、との見方も聞かれる(ヒアリング日:2024年5月29日~6月3日)。

MPAによると、トゥアスのターミナルで2024年後半から、新たに3つのバースの運用を開始する予定で、処理能力の向上が期待されている。シンガポールでは、国内に散らばるターミナルをトゥアスに集約する計画が進められている。2040年代の完成を目標としているトゥアスのコンテナ取扱能力は6,500万TEUとなり、2023年のシンガポール全体の取扱量(約3,900万TEU)を大幅に上回る。

(注)貨物の積み降ろしを行うために船が停泊する場所。

(朝倉啓介)

(シンガポール)

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