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税関改革法が成立、汚職対策のため外部評価などを導入(ウクライナ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月24日 10時30分

ボロディミル・ゼレンスキー大統領は10月17日、国家税関局の改革に関する関税法の改正法案に署名した。11月1日に施行される(2024年9月17日付ウクライナ法第3977-IX号)。税関の評価や、長官候補者選考プロセスに外部委員を参画させる内容で、税関内の汚職対策が狙い。汚職対策はウクライナのEU加盟やIMFなどによる継続的な国際支援に当たり重要な要件の1つとされており、その一環で税関の改革も求められていた。

外部評価については、国際機関や外国機関の提案に基づき内閣が任命する3人の委員からなる外部評価委員会が行う。委員の要件として、ウクライナ国内外での5年以上の汚職対策の経験が規定された。評価は、長官が任命されてからそれぞれ1年、3年経過した時に行われる。同委員会が下す税関組織の評価によっては長官が解任される場合がある。評価の結果は政府のウェブサイトで公開される。

長官の選定については、長官としての要件が詳しく定められたほか、6人の委員から構成される選考委員会が候補者の審査を行う。うち3人は国際機関および外国機関からの提案、3人は財務省からの提案に基づき内閣が任命する。委員会は応募書類の審査、試験、面接などを実施する。委員会の会合は公開の場で行われ、最終的に要件を満たす2人の候補者を財務相に提出、財務相の提案に基づき、内閣が長官を任命する。

長官の任期は5年とされ、上限は2期までとされた。ほか、税関職員の給与水準の下限が設けられるなど、待遇を改善する内容も盛り込まれた。

「キーウ・インディペンデント」(10月17日)によると、税関局は「国内最大の脱税スキーム」と呼ばれ、賄賂や不正申告による密輸で年間24億~30億ドルに上る関税などの脱税が行われていると指摘されている。国内でも最も腐敗した機関と認識されているという。

税関での汚職対策は2020年に政府内で実績を上げたマクシム・ネフィヨドフ氏を長官に迎えて試みられたが、政府が関税収入の減少を理由に同氏を解任し、不首尾に終わった。ネフィヨドフ氏は、有力密輸業者による解任要求に政府が屈したと訴えていた(「キーウ・インディペンデント」10月14日)。

(浅元薫哉)

(ウクライナ)

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