第3四半期の港湾貨物取扱量は前年同期比3.5%減、3期ぶりに減少(香港)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月12日 0時40分
香港特別行政区政府統計処は12月3日、2024年第3四半期(7~9月)の港湾貨物取扱量を前年同期比3.5%減の4,373万6,000トンと発表した。2020年第1四半期以降、2023年第4四半期まで続いていた前年同期比での減少が、2024年第1四半期から増加に転じていたが、3期ぶりに減少した。
内訳をみると(添付資料図参照)、香港に到着した入港貨物量は4.0%減の2,772万1,000トン(うち輸入0.03%増、積み替え8.8%減)、そのうち海上貨物(注1)は7.4%減の1,791万5,000トン、河川貨物(注2)は2.8%増の980万6,000トンだった。また、香港から出発した出港貨物量は2.5%減の1,601万6,000トン(うち輸出20.7%増、積み替え10.1%減)、そのうち海上貨物は5.6%減の943万トン、河川貨物は2.4%増の658万5,000トンだった。
2024年第3四半期の入港貨物のうち、最大の仕出し地の中国大陸が1.6%増(海上貨物2.0%減、河川貨物3.2%増)だったほか、韓国(56.6%増)、シンガポール(22.2%増)が増加した。一方、インドネシア(44.1%減)、マレーシア(23.6%減)、タイ(32.3%減)などが大きく減少し、日本も17.4%減だった。出港貨物では、最大の仕向け地の中国大陸が3.4%増(海上3.9%増、河川3.2%増)だったほか、台湾(22.7%増)、ベトナム(17.5%増)が増加した。一方、フィリピン(40.5%減)、マレーシア(33.8%減)、日本(25.9%減)が大きく減少した。
品目別でみると、入港貨物では石油・石油製品・関連素材(20.6%増)、金属含有鉱石・金属スクラップ(16.9%増)などが増加した一方、石炭・コークス・練炭(33.8%減)、合成樹脂・プラスチック材料(17.0%減)などが減少した。出港貨物では石・砂・砂利(37.2%増)、金属含有鉱石・金属スクラップ(15.6%増)が大きく増加した一方、合成樹脂・プラスチック材料(17.3%減)、主に食用とする動物とその製品(16.1%減)が減少した。
第3四半期のコンテナ取扱量(空コンテナを含む)は前年同期比7.0%減の341万TEU(20フィートコンテナ換算)だった。内訳をみると、積載コンテナのうち、入港貨物は5.0%減の147万1,000TEU〔うち輸入42万8,000TEU(1.3%増〕、積み替え104万4,000TEU(7.4%減)〕、出港貨物は5.4%減の127万4,000TEU〔うち輸出30万2,000TEU(4.7%増)、積み替え97万3,000TEU(8.2%減)〕だった。空コンテナは13.9%減の66万5,000TEU〔うち到着34万9,000TEU(11.8%減)、出発31万6,000TEU(16.0%減)〕だった。
香港政府は11月8日、2023年10月に発表した「現代物流発展行動計画(Action Plan on Modern Logistics Development)」(2023年11月9日記事参照)に基づき、新界青衣にある青鴻路と青衣路の交差点に位置する用地を、物流サービスと公共駐車場の目的で一般競争入札により売却すると発表した。入札期限は2025年2月21日。運輸物流局の報道官は、「物流産業は香港経済の重要な柱の1つである。近代的な物流産業の発展を促し、国際物流ハブとしての香港の役割を強化するため、政府は引き続き質の高い物流用地の供給を増やし、業界の物流用地に対する短期・中期的な需要に応えていく」と述べた。
(注1)内陸水運の範囲を越えて航行する船舶により輸送される貨物。内陸水運とは、珠江、大鵬湾、マカオを含む香港付近の水域、香港付近の水域からアクセス可能な広東省、広西チワン族自治区のその他の内陸水路での輸送。
(注2)内陸水運の範囲内でのみ航行する船舶により輸送される貨物。
(山口雅史)
(香港)
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