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オランダ、国境管理の強化を開始、ドイツとも連携(オランダ、ドイツ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月11日 16時10分

オランダ庇護・移民省は12月9日、非正規移民の制限と国内の治安維持対策として、隣国との陸上および空港において国境管理の強化を開始した。

同省は11月11日、欧州委員会へ6カ月間の一時的な国境管理を実施すると通告。2025年6月8日までは王立保安隊による道路での検問、シェンゲン圏内から到着する列車や航空便での検査が増加する予定で、パスポートなどの身分証明書の携帯が必須となる。検査の規模や頻度は不明で、通勤・運輸などの経済的影響を抑えながら実施されるとのこと。

今回の規制は、2023年11月の選挙で第1党となった極右自由党(PPV)の厳格な移民政策の1つで、オランダ公共放送(NOS)(2024年9月20日)によると、オランダ国内への庇護(ひご)希望者の増加や、長期的な受け入れ施設・住宅の不足といった受け入れ危機の緩和を狙うもの。9月16日に、先行してドイツが国境管理強化を開始したことも一因となったとみられ(2024年9月19日記事参照)、現地報道によると、ドイツ連邦警察も同省の声明を受け、オランダによる国境管理への協力を表明。固定式・移動式検問所の双方で連携し、規制強化を図る予定だ。

一方、同省は国境管理にかかる予算の増額や人手の増員を予定しておらず、規制効果に疑問が生じている。NOSは、12月9日の開始時点では、想定される実施の様子が見られないと言及。さらに、マルヨライン・ファーバー庇護・移民相が国境管理の通勤への影響について具体的な明言を避け続けており、下院議会および国境付近の自治体からは懸念の声が上がっている、と報じた。

(宮崎真里佳)

(オランダ、ドイツ)

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