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通商と国防分野で中国を牽制する動き、ジェトロの米中月例レポート(2024年5月)(米国、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月1日 10時35分

ジェトロは6月26日、米国の対中国関連政策についてまとめた2024年5月分の月例レポートを公表した。このレポートは、日本企業が米中関係に関する米国の動向を把握できるよう、2021年7月から毎月分を作成して特集ページに連載している。

通商面では、米国の対中追加関税で大きな動きがあった。米国通商代表部(USTR)は5月14日、1974年通商法301条に基づく中国原産品への追加関税(301条関税)の見直しに関する報告書を発表した(2024年5月16日記事参照)。同発表では、301条関税を巡る交渉の結果、不公正な慣行の撤廃などを約束した米中貿易・経済協定(2020年1月16日記事参照)が締結されるなど、関税賦課には一定の効果があったと指摘した。一方、懸念される慣行の多くが維持されているほか、中国がサイバー攻撃を通じて外国企業の技術を窃取する試みを続けており、米国の商業にさらなる負担や制限を与えていると問題視した。これを受け同日、ジョー・バイデン大統領は、中国製の電気自動車(EV)に対しては現在の4倍の100%、太陽電池と半導体に対しては2倍の50%、鉄鋼・アルミニウム、バッテリー、重要鉱物、船舶対陸上(STS)クレーン、医療製品に対しては25%の追加関税を課すよう指示した(2024年5月15日記事参照)。

またUSTRは5月22日、301条関税の関税率引き上げ対象品目や適用除外品目およびパブリックコメントの募集について発表した(2024年5月23日記事参照)。さらに、5月24日には、現行の適用除外対象品目について、一部の品目の適用除外措置を一定期間延長すると発表した。同発表をもって、USTRによる301条関税の見直しの全容が明らかになった(2024年5月27日記事参照)。

2023年11月に行われた米中首脳会談で合意された、米中両国の高官による対話継続に関しては(2023年11月16日記事2023年11月17日記事参照)、中国とロシアが対談したことを踏まえてか(2024年5月28日記事参照)、5月は国防に関わる会談が多かった。最も重要なものとしては、ロイド・オースティン国防長官の董軍中国国防部長との会談が挙げられる。5月31日に開かれた同会談でオースティン長官は中国に対し、台湾海峡周辺での挑発的な活動に対する懸念を伝えたほか、南シナ海における航行の自由の重要性や北朝鮮によるロシアへの支援についても協議したとしている。この会談のほかにも、5月には両国の北朝鮮担当高官や、国家安全保障を担当する大統領副補佐官など、複数の高官による安全保障に係る会談が開かれた。

米国の対中政策・措置や米国側から見た米中関係の動向について、行政府、連邦議会、産業界、学会に分けて解説する月例レポートは、こちらの特集ページからさかのぼって閲覧が可能。米中関係に関する中国の動向も確認できる。

(谷本皓哉)

(米国、中国)

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