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米有力シンクタンク、トランプ次期政権下の日米関係の展望を解説(米国、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月27日 15時35分

米国の首都ワシントンの有力シンクタンクがドナルド・トランプ次期政権の外交方針を占う論考を相次いで公表している。トランプ次期政権下での米国と、日本を含めた同盟国・パートナー国との関係性に関する最近の論考をまとめた。

ハドソン研究所日本部長のケネス・ワインスタイン氏は11月26日、「日本はトランプ時代の最大の勝者の1人になる可能性がある」と題した論考を発表した。同日付の日本経済新聞の英文媒体「NIKKEI ASIA」に掲載された。論考では、米国が中国との地政学的状況に対処するため、トランプ氏が日米関係を重視すると指摘した。この前提の下で、「米国が日本に課す関税は、米国が中国に課す関税に比べればごくわずかであることは確実だ」「日本の中国に対する競争力が飛躍的に向上するため、トランプ政権下の最大の恩恵を受ける国のひとつとなる可能性がある」と、肯定的な見通しを示した。

外交問題評議会(CFR)世界経済政策担当特別研究員および地経研究グリンバーグセンター所長特別研究員のマシュー・グッドマン氏は11月21日、「日本がトランプ2.0に備える」と題した論考を発表した。論考では、トランプ氏が関税を課すかどうか判断する指標として、(1)防衛費の水準と方向性、(2)貿易不均衡、(3)米国国債保有額、(4)為替操作の有無、の4指標を挙げた。これら指標に基づくと、「おそらく日本は中国、メキシコ、ベトナム、そして恐らく欧州に次いで、トランプ氏の関税引き上げ対象国リストの4番目か5番目になる」と指摘した。また、日本から米国への輸出に10~20%の関税(ベースライン関税)が課される直接的なコストに加え、中国やメキシコから米国への輸出に関税が課された場合には、これらの国で製造する日本企業にも間接的に打撃が及ぶとして、サプライチェーンへの広範な影響を示唆した。他方で、米国進出日系企業は減税や規制緩和の影響を受けるなどとプラスの影響も指摘した。

戦略国際問題研究所(CSIS)地政学・外交政策部/韓国部長のビクター・チャ氏は11月18日、「トランプ氏が同盟国・パートナー国をどう見ているか」と題した論考を発表した。論考では、トランプ氏の同盟国・パートナー国に対する姿勢を説明する指標として、(1)防衛費のGDP比、(2)貿易収支、の2指標を挙げた。防衛費がGDP比3%以上で、米国に対する貿易黒字を計上しない国・地域を「安全ゾーン」、いずれの条件も満たさない国・地域を「危険ゾーン」などに分類した。これによると、インド太平洋地域では、日本、韓国、台湾、タイ、フィリピン、ニュージーランドが危険ゾーンに分類された。

ジェトロによる、CSIS地政学・外交政策部副部長/日本部上席研究員のニコラス・セーチェニ氏に対する米国大統領選の要点と日米関係の展望に関するインタビューは、2024年11月7日記事参照。また、ブルッキングス研究所アジア政策研究センター所長/外交政策上席研究員/フィリップ・ナイト日本研究チェアのミレヤ・ソリス氏による、日米関係の展望は2024年11月25日記事参照

(葛西泰介)

(米国、日本)

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