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2025年国家予算案、歳出約6%増、教育や社会保障などを手厚く(インドネシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月27日 0時35分

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は8月16日、2025年予算案を国民議会(DPR)に提出した。歳入は2024年見通しから6.9%増の2,996兆8,702億ルピア(約28兆4,702億円、1ルピア=約0.0095円)、歳出は2024年見通しから5.9%増の3,613兆563億ルピアと設定され、財政赤字はGDP比2.53%と見込む。予算案の前提となる2025年の経済指標の見通しは、実質GDP成長率が5.2%、物価上昇率が2.7%などと設定された。

ジョコ大統領は予算案に関する国会演説の中で、「われわれは引き続き構造改革を実施するとともに、健全で信頼できる財政政策を維持し、財政政策と金融政策の連携を強化しなければならない」とし、2025年予算案は「包括的で持続可能な経済成長によって国家が発展できるよう設計した」と述べた(8月16日付内閣官房プレスリリース)。

歳出については、教育に予算全体の約2割にあたる722兆6,000億ルピア、貧困層支援を含めた社会保障に504兆7,000億ルピア、インフラ開発に400兆3,000億ルピア、医療に197兆8,000億ルピア、食料安全保障に約124兆4,000億ルピアを配分する。教育予算には次期政権の主要政策の1つである給食無償化など、学童の栄養改善に関する予算も含まれる。

本予算案はジョコ政権の閣僚とプラボウォ・スビアント次期大統領の経済チームが共同で作成したとされており、今後、国会での審議を経て、10月ごろに成立する見通しだ。一方、戦略国際問題研究所(CSIS)のヨセ・リザル・ダムリ所長は「2025年国家予算案は改定される可能性が非常に高い。経済状況の変化と次期政権の方針により、内容が徹底的に見直される可能性がある」と指摘した(「CNBC Indonesia」8月19日)。

ジョコ大統領、過去10年間の成果を強調

ジョコ大統領は8月16日、国民協議会(注1)の年次総会で演説を行い、地方経済発展の基盤となるインフラ開発の推進、5%程度の安定した経済成長、ニッケル鉱石をはじめとした資源の高付加価値化政策による雇用や歳入の増加など、2期10年の政権運営の成果を強調した。また、「国民が団結、協力し続けることができれば、黄金のインドネシア2045(注2)の目標を達成することができると確信している」と述べた(「アンタラ」8月16日)。

(注1)DPR議員575人と地方代表議会議員136人で構成され、憲法の改正、大統領・副大統領の任期中の解任などを決定する権限を持つ。

(注2)黄金のインドネシア2045とは、ジョコ政権が示した「建国100周年にあたる2045年までに高所得国・先進国になる」という目標。政府が定めた「長期国家開発計画2025-2045」では、2045年の目標として、1人当たり国民総所得を先進国と同等の2万3,000~3万300ドルに増加させること、GDPに占める製造業の割合を28%に引き上げること、所得格差を測る指標であるジニ係数を0.290~0.320ポイントに引き下げることなどが掲げられている。

(八木沼洋文、尾崎航)

(インドネシア)

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