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米民間調査、2021年世界の都市別スタートアップ・エコシステム・ランキングを発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年9月29日 0時10分

添付資料PDFファイル(92 KB)

米国調査会社のスタートアップ・ゲノムと、スタートアップ企業を支援するグローバル・アントレプレナーシップ・ネットワーク(GEN)は9月22日、「Global Startup Ecosystem Report 2021」で世界の都市別スタートアップ・エコシステム・ランキングを発表した。今回のランキングでは、前年に続き、シリコンバレー、ロンドン、ニューヨーク、北京、ボストン、ロサンゼルスが1~6位を占めた。また、2020年に15位と、上位30都市に初めてランクインした東京は、今回は9位とその順位をさらに上げた。

レポートでは、世界100カ国以上にある275以上の主要都市の起業環境を、業績、資金調達、接続度、市場リーチ、知識、そして人材の6項目(注1)を採点して各都市を評価し、それらの値を元に順位が決められている。本ランキングの上位10都市と、項目別の採点結果は添付資料表のとおり。

上位10都市のうち、米国の都市は5つを占めた。シリコンバレーは同ランキングが開始された2012年から継続して首位を維持しており、今回は6つの評価項目全てにおいて10点満点を獲得した。新型コロナウイルスのパンデミックの影響により在宅勤務が普及したほか、地域内での物価上昇により人材が流出しているにもかかわらず、同地域は依然として約4万ものスタートアップの拠点で、そのエコシステムには1兆290億ドル相当の価値があるとされている。また、スタンフォード大学が、シリコンバレーのエコシステムにおいて重要な役割を果たしており、同大学の卒業生は毎年3兆ドル近くの経済効果を生み出しているとしている。次いで、2位タイのニューヨークは、金融やファッション、メディアなどのハブとして、多様な産業が伝統的に集積をしてきた点が評価されている。また2021年には、LGBTQが経営する企業を「マイノリティ経営企業」として認める米国最大の都市となったことにより、数十億ドルに相当する契約やビジネス支援サービスを市から受けられるようになった。これに加え、女性起業家を支援するビジネスサービスも充実しており、多様性において優れている点も評価された。

アジア圏においては、中国の北京が4位、上海が8位と、いずれも前年の順位を維持した。北京は2020年には、本社を置くユニコーン企業(注2)の数が93社となり、世界で最も多くのユニコーン企業を抱える都市として、その存在感を示した。上海については、新興自動車メーカー「エノベート(Enovate)」や、バイオテック企業の「リアンバイオ(LianBio)」など、大型資金を調達したスタートアップ企業が多数存在することが評価された。9位に浮上した東京については、政府主導のスタートアップ向け支援策などがエコシステムの成長を後押ししている、と評価されている。東京都では、2020年にスタートアップを大企業や中小企業、大学・研究機関、行政機関などとつなぐエコシステムの形成を目的とした「スタートアップ・エコシステム・東京コンソーシアム」が設立されている。また同年には、米国ボストンのスタートアップ支援機関「ケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)」が日本進出を果たすなど、スタートアップの創出や成長促進につながる取り組みも活発に進められている。

(注1)(1)スタートアップの市場価値などを示す「業績」、(2)初期段階のスタートアップの成功に重要な資金調達指標を数値化する「資金調達」、(3)地域におけるエコシステム内の関係者同士のつながりと、イノベーションを創出するための地域内の基盤を測定する「つながり度」、(4)スタートアップのビジネスモデルの成長性や海外展開を示す「市場リーチ」、(5)研究・特許活動の充実度を示す「知識」、(6)スタートアップが有能な人材にアクセスできる環境を示す「人材」。

(注2)企業評価額が10億ドル以上かつ設立10年以内の、非上場ベンチャー企業の総称。

(樫葉さくら)

(米国)

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