1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

貿易産業省、第1四半期のGDPと貿易額を発表、通年成長率の予測は維持(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月29日 0時40分

シンガポール貿易産業省(MTI)は5月23日、2024年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(経済成長率)を前年同期比2.7%と発表した(注1)。2023年第4四半期(10~12月)の同2.2%から成長が加速し、季節調整済み前期比では0.1%成長となった。産業別に見ると、金融・保険(前年同期比6.5%)、運輸・倉庫(6.8%)、卸売り(1.5%)などの業種が成長に寄与した。

2024年通年の経済成長率の予測は「1.0~3.0%」と、従前の予測を維持した。主要国・地域の経済については、「米国や中国の第1四半期の経済成長が好調だった」とし、政府支援の拡充を背景に中国経済の成長が強まる可能性を指摘した。また、ユーロ圏では「欧州中央銀行による政策金利引き下げの予測から、2024年下半期に個人消費の回復が見込まれる」とした。一方、中東での地政学的緊張の高まりやウクライナ紛争によるサプライチェーンやコモディティー市場の混乱、世界的な金融引き締めの長期化、新興国市場での資本フローや為替変動の増大を成長の下振れリスクとして挙げた。シンガポール国内については、スマートフォンやPC、人工知能(AI)向けの半導体需要に支えられて、エレクトロニクス産業が回復することなどを理由に、製造業と貿易関連産業の成長が緩やかに回復すると予測した。

貿易総額は増加も、NODXは減少、通年予測は維持

MTI管轄下のシンガポール企業庁(エンタープライズシンガポール)が同日発表した2024年第1四半期の貿易統計によると、第1四半期の貿易総額は3,119億7,470万シンガポール・ドル(約36兆1,890億6,520万円、Sドル、1Sドル=約116円)で、前年同期比で4.8%増加した。2022年第4四半期以降初めて、貿易総額が前年同期比で増加した。輸出は前年同期比4.4%増の1,659億4,140万Sドル、輸入は5.3%増の1,460億3,330万Sドルだった。

非石油部門の地場輸出額(NODX、注2)は423億9,200万Sドルで、前年同期比3.4%減少し、前期(1.4%減)からも減少幅が拡大した。うちエレクトロニクス製品は前年同期比1.6%減少し、非エレクトロニクス製品は3.8%減少した。国・地域別にみると、中国(31.1%増)、香港(65.1%増)を除く主要国・地域向けで減少した。EU(35.9%減)、米国(13.2%減)、日本(33.6%減)向けが特にNODX全体の減少に寄与した。

2024年の見通しについては、財貿易総額、NODXともに「4.0~6.0%増」とする2月時点の予測を維持した(2024年2月27日記事参照)。なお、NODXは第1四半期実績が予測を下回ったが、予測値内にはとどまる見込みだとした。

(注1)4月に発表した速報値から修正はなかった(2024年4月22日記事参照)。

(注2)自国生産による財輸出で、再輸出を除く。

(糸川更恵)

(シンガポール)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください