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債務再編に前進も、新政権は国民負担軽減と国際合意順守を模索(スリランカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月8日 13時40分

スリランカの財務省は10月4日、スリランカ政府が国内外の民間債権者との間で合意したソブリン債務(注)の主要な再編条件を巡り、日本、フランス、インドが主導する債権国会合から、同会合と合意済みの2国間債務の返済条件(2024年7月4日記事参照)との平等性について確認したと発表した。またIMFからは、IMFの金融支援プログラムで設定された債務持続可能性に関する目標(2023年4月5日記事参照)との整合性について確認を得た。スリランカが抱える対外債務のうち、最大割合を占める民間債務の再編が進展したことになる。

スリランカ政府は7月3日に、民間債権者との主要な再編条件に合意したと発表していたが(2024年7月8日記事参照)、債権国会合およびIMFは本合意の返済条件が不十分だと評価し、政府側は修正した条件について9月19日に民間債権者との間で予備的に合意していた。同日には、中国開発銀行(CDB)との間でも約33億ドルのソブリン債の再編について基本合意に達したと発表している。今後、スリランカ政府は、ソブリン債の債権者やCDBとの間での最終合意を通じ、経済の早期再建を図る。

ディサーナーヤカ大統領、国民の負担軽減と国際合意順守両立を模索

アヌラ・クマーラ・ディサーナーヤカ大統領は、IMFの金融支援プログラムを巡り、大統領就任前は国内での財政再建による国民への過大な負担を批判していたが(2024年5月14日記事参照)、就任以降は国際的な合意の大枠を順守する姿勢を示している。ディサーナーヤカ大統領は9月25日の大統領就任演説で、IMFとの話し合いを即座に開始し、同プログラムの関連活動を進めるとともに、対外債権者との債務再編交渉を迅速に進めるという方針を表明した。

さらに、ディサーナーヤカ大統領は10月3日と4日、同国を訪問したIMFの派遣団と面談し、IMFによる金融支援プログラムで定められた目標を原則的として順守するという政府の方針をあらためて表明した一方で、付加価値税や所得税の上昇による国民の負担を財政支出によって軽減しながら目標を達成していくという意向を示した、と報じられている。

(注)ソブリン債とは、国債や政府機関債など各国政府や政府機関が発行または保証する債券の総称のこと。

(大井裕貴)

(スリランカ)

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