1~9月の貿易赤字、前年同期比31.7%減(トルコ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月8日 0時30分
トルコ統計機構(TUIK)の10月31日の発表によると、2024年1~9月の輸出は前年同期比3.2%増の1,927億6,376万ドル、輸入は8.0%減の2,526億3,780万ドルで、貿易赤字は31.7%減の598億7,405万ドルとなった。
1~9月の輸出を品目別にみると、最大の輸出品目の自動車・同部品は前年同期比4.5%増と好調だった。輸出増加への寄与が最も大きかったのは鉄鋼で、18.7%増と回復傾向にある。次いで鉱物性燃料が10.3%増だったが、減速がみられる。また、前年に急増した貴金属類も7.6%増と増加を続けている。他方、非ニット衣類(9.3%減)とニット衣類(3.4%減)は、前年から欧州向けが冷え込んでおり、低迷が続いている(添付資料表1参照)。
国・地域別の輸出では、輸出額全体の41.7%を占めるEU向けが前年同期比3.0%増と伸び悩んでいる。EU向けでは、特に首位のドイツが3.8%減となり、フランス(6.5%減)も低調だった。国別で2位以下を輸出額順にみると、米国が7.4%増、英国が23.4%増、イラクが7.0%増と好調だった。欧米の制裁対象国となっているロシアは22.1%減だった(添付資料表2参照)。
トルコ政府が5月に全品目の輸出入を停止すると発表したイスラエル向けは同月以降、実質的にゼロとなっているが、パレスチナ向けは急増している。パレスチナ向け輸出は鉄鋼、化学品などを中心に、7月、8月、9月は前年同月比で10倍以上の伸びが続いており、1~9月の前年同期比では6.2倍の6億347万ドルに達している。パレスチナの輸入港はイスラエルにあることからも、実際にはイスラエルとの貿易が続けられているとの指摘や、トルコ貿易省が対応に乗り出しているとの報道もある。
1~9月の輸入を品目別にみると、最大の輸入品目の鉱物性燃料が前年同期比7.2%減だった。また、前年に急増した貴金属類は39.0%減で、最大のマイナス寄与となった。鉄鋼も9.0%減だった。前年から好調だった自動車・同部品も、0.7%増と減速を見せている(添付資料表3参照)。輸入は、中間財(12.9%減)を中心に全体的に低調だった。
国・地域別の輸入では、輸入額が多い中国(前年同期比3.6%減)、ロシア(6.2%減)、ドイツ(6.4%減)がいずれも落ち込んだ(添付資料表4参照)。また、金の需要が落ちついたこともあり、貴金属を中心としたスイスからの輸入が55.5%減で、最大のマイナス寄与となった。EU諸国をみると、ドイツを除き、イタリア(26.8%増)、フランス(11.6%増)などが伸ばしているが、EU全体では3.6%増にとどまった。
(中島敏博)
(トルコ)
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