在メキシコ日本商工会議所、現地経済団体と覚書締結、水素案件開発や利活用促進で相互協力(メキシコ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月12日 14時15分
メキシコ日本商工会議所(以下、カマラ)と、日本の経団連に相当するメキシコの企業家調整評議会(CCE)は11月8日、水素関連のプロジェクト開発や、水素利活用促進に向けた相互協力に関する覚書を締結した。日本・メキシコ両国の持続可能な経済発展に向けて協力関係を築くことを目的とし、メキシコ市で開催されたカマラ設立60周年記念式典で締結した。
主な協力内容は次のとおり。
a.互いの組織を構成するメンバーと両国のコミュニティーに貢献する水素関連プロジェクトの開発に向けた相互支援
b.水素関連技術に関する研究の奨励や両国企業・人材に向けたセミナー、ワークショップ開催
c.水素の利活用を推進する公共政策の設計促進や、望ましい環境規制の導入に向けた相互協力
d.両国の発展に資する水素の利活用に向けた意思決定や、効果的な戦略を後押しするデータ・研究・関連情報の共有
メキシコはクリーン水素の生成・貯蔵・消費、輸出拠点となるに当たって、高いポテンシャルを有している。しかし、電力産業の国有化を推し進める前政権と現政権の動きから、クリーン水素を使った発電や生産・輸送現場での利活用を促進したい民間企業にとって、ビジネスがしやすい環境とは言えない状況だ。今回の覚書締結の背景には、カマラとCCEが互いの強みを生かして、メキシコでの水素関連プロジェクトの開発や、エネルギーとしての水素利用を促進しようという意図がある。
カマラ60周年記念式典での覚書の締結。写真左からメキシコ国際産業連盟(COMCE)のセルヒオ・コントレラス会長(証人として署名)、CCEのフランシスコ・セルバンテス会長、カマラの久我高輝会頭、ジェトロの河田美緒理事(証人として署名)(ジェトロ撮影)
日系グローバル企業に所属するカマラ幹部は、メキシコでのクリーン水素のバリューチェーン構築について、「国によって(クリーン水素バリューチェーンの)成熟度が異なるため、民間企業だけでの推進には限界がある。だからこそ、政府としてのフレームワークが必要」と話す。ジェトロも9月に「日墨クリーン水素フォーラム」を開催し(2024年9月11日記事参照)、メキシコ連邦政府関係者に同国の持つポテンシャルや、官民連携によるオールジャパンとしての協力体制をアピールした。クリーンエネルギーの活用促進を政策に含むクラウディア・シェインバウム新政権の今後の動向に、日系企業をはじめ多くの関連企業が注目している。
(渡邊千尋)
(メキシコ)
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