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10~11月前半の経済活動はわずかに増加、一部企業は在庫積み増し、米シカゴ連銀経済報告(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月10日 1時0分

添付資料PDFファイル(208 KB)

米国連邦準備制度理事会(FRB)が12月4日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック、注1)の中で、米国中西部の一部地域(注2)を管轄するシカゴ連銀は、10月から11月前半にかけての同地域の経済活動について、全体的にわずかに(slightly)増加したと報告した。関係者は引き続き、今後1年間の消費需要は同様の増加率になると予想している。

同地域の経済活動を分野ごとにみると、雇用はわずかに(slightly)増加した。関係者は今後1年間も同様のペースで雇用増加が続くと見込んでいる。製造業では引き続き、高い技能を持つ労働者の確保が困難な一方、労働市場が軟化したとの報告があった。また、解雇は拡大していないが、採用が減速しているとの指摘もあった。

個人消費では、消費者が製品やサービスの価格に対してどの程度敏感に反応するかを示す価格感応度が再び上昇したという報告はあるももの、全体的に控えめに(modestly)増加した。自動車以外の小売売り上げは全体的に増加、自動車販売台数も控えめに増加した。

企業支出は、全体として控えめに(modestly)増加、資本支出はわずかに増加した。トランプ次期政権による関税引き上げを見込んで、複数の小売業者は在庫を積み増す計画を立てており、ある建設資材供給業者は積極的に在庫を積み増していると答えた。

製造業の需要は控えめに(modestly)減少した。鉄鋼の受注は低水準からさらに減少し、ある関係者は、今後数カ月間は需要が低水準にとどまると予想している。加工金属の受注は全体的に横ばいとなった。関係者は防衛関連からの受注は増加、自動車業界からの受注は減少したと答えた。

同地区での農業所得の見込みは、トウモロコシと大豆の価格が前年を下回る水準で推移したため、2024年の農業収入見通しは2023年から引き続き減少した。地区のトウモロコシの収穫量は過去最高を記録、大豆の収穫量は過去2年より増加した。報告期間中、トウモロコシ価格は上昇し、大豆価格は下落した。

個々の調査対象項目ごとの詳細は添付資料表参照。

(注1)連邦公開市場委員会(FOMC)の開催に先立ち、年8回公表され、銀行からの報告やビジネス関係者などの声を基にまとめたもの。

(注2)アイオワ州、イリノイ州北部、インディアナ州北部、ウィスコンシン州南部、ミシガン州南部。

(星野香織)

(米国)

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