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2024年成長率はトルコで3.5%、イスラエル、サウジアラビア、南アでは世界全体を下回る、OECD予測(中東、アフリカ、トルコ、サウジアラビア、イスラエル、南アフリカ共和国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月10日 1時40分

OECDは12月4日、世界の経済見通しに関する報告書で、重大なリスクや課題もあるが、成長は底堅いと発表した。経済成長率は2024年に3.2%、2025年と2026年は3.3%との見通しだ。

同報告では、世界経済に関する根強い不確実性も強調している。中東で進行中の紛争が激化すれば、エネルギー市場が混乱し、経済成長に打撃を与える可能性がある一方、主要な地政学的紛争が早期に解決すれば、エネルギー価格が低下する可能性もあるという。

2024年の経済成長率の見通しは、中東アフリカでは、OECD加盟のトルコで3.5%と、世界平均を超えるが、イスラエルは紛争の影響も受け、0.6%の低成長だ。G20のサウジアラビア、南アフリカ共和国でも世界平均を下回る。中東アフリカの主要国・地域の2024年の経済成長率見通しは次のとおり(かっこ内は2025年の見通し)。

世界:3.2%(3.3%)
OECD:1.7%(1.9%)
G20:3.3%(3.3%)
トルコ:3.5%(2.6%)
サウジアラビア:1.0%(3.6%)
南アフリカ共和国:1.0%(1.5%)
イスラエル:0.6%(2.4%)
(参考)日本:マイナス0.3%(1.5%)

インフレ率は緩和もトルコでは引き続き高騰

同報告書によると、OECD諸国のインフレ率は2024年の5.2%から2025年に3.7%、2026年には2.9%へ緩和の見込みだ。インフレ率は、先進国のほぼ半数、新興国の60%近くで既に中央銀行の目標値まで戻っているという。中東ではトルコが通貨安などもあり、58.3%と物価が高騰している。

中東アフリカの主要国・地域の2024年のインフレ率見通しは次のとおり(かっこ内は2025年の見通し)。

OECD:5.2%(3.7%)
G20:5.4%(3.5%)
トルコ:58.3%(30.7%)
サウジアラビア:1.6%(1.7%)
南アフリカ共和国:4.6%(3.9%)
イスラエル:3.1%(3.6%)
(参考)日本:2.6%(1.9%)

同報告書によると、失業率は歴史的には依然として低い水準だ。また、名目賃金上昇と継続的なインフレの低下が実質家計所得を押し上げたという。所得が上昇する一方で、消費マインドが低迷したため、多くの国で個人消費が縮小した。このような中でも世界の貿易量は回復しつつあり、2024年には3.6%の増加の予測だ。

(井澤壌士)

(中東、アフリカ、トルコ、サウジアラビア、イスラエル、南アフリカ共和国)

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