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BRICSサミットの場で、5年ぶりのインド・中国首脳会談、戦略的協力を強調(インド、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月26日 0時10分

インドのナレンドラ・モディ首相と中国の習近平国家主席は10月23日、ロシア中部カザンで開催されたBRICSサミットで会談を行った。インド・中国の首脳会談は2019年10月にインド南部チェンナイで実施されて以来5年ぶり。会談では、両首脳が戦略的かつ長期的な観点から2国間関係を進展させ、戦略的コミュニケーションを強化し、協力を模索する必要性を強調した。

同首脳会談に先立つ21日には、インド外務省が中国との国境地域での巡回警備に関して中国側と同意したと報道されている。巡回警備は、インド北部に位置するラダック地方東部の実効支配線(LAC)に近いデムチョクとデプサンを対象として、隔週で行われ、11月初旬には第1回となる巡回警備が行われたもようだ(「タイムズ・オブ・インディア」紙11月12日)。

インドと中国は国境問題を抱えており、2020年6月にインド北部ラダック地方で発生した衝突で双方に多くの死傷者が出たことを契機に、関係が一段と冷え込んでいた。従前からインド政府は中国企業によるインドでの経済活動にも警戒感を示しており、中国を含む隣接国からの投資にはインド政府の事前許可が必要となっているほか、中国人に対するビザ発給審査は厳格化されているとも言われている。

首脳会談や国境管理に関する同意を踏まえ、中国からインドへの投資に対しても緩和の動きが広がるのか注目が集まっている。2024年7月にインド政府が発表した「経済見通し」では、「中国からの外国直接投資(FDI)流入増加はインドからの輸出促進に役立つ」といった提言が盛り込まれ、話題となっていた。

「自立したインド」をスローガンに掲げ、他国に依存しない産業構造を目指す中で、中国に対するインドの貿易赤字は膨らんでいる。特に電気・電子、機械などの分野では、中国からの輸入が大きなシェアを占め、インド政府の懸案事項となっている。同分野では中国企業からの投資や人材の受け入れによって自国産業を育成すべきとの声がある一方で、部品は引き続き中国からの輸入に依存することになるため、メリットが小さく、リスクが高いという意見もあり、議論が活発化している(「エコノミック・タイムズ」紙10月23日、「インディアン・エクスプレス」紙10月23日)。

(丸山春花)

(インド、中国)

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