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10月の米住宅ローン金利は6.72%に上昇、住宅販売の押し下げが見込まれるも建設事業者のマインドは堅調(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月5日 13時25分

米国連邦住宅金融抵当公庫(フレディマック)は10月31日、10月第5週の住宅ローン金利を公表した。大統領選挙後に予想される財政拡張による財政悪化やインフレ上昇懸念などに伴い、米国債利回りが上昇した結果、30年物固定住宅ローン金利は6.72%と、8月第1週以来の高い水準となった。こうした金利上昇は、短期的には住宅販売を押し下げる可能性がありそうだ。

10月に発表された住宅関連指標をみると、9月の住宅販売は期間中、連邦準備制度理事会(FRB)による利下げに伴って住宅ローン金利が低下していたにもかかわらず、全米不動産協会(NAR)が発表した中古住宅販売は年換算で前月比1.0%減の384万戸となった。ただし、中古住宅在庫は前月より1.5%増の139万戸となり、中古住宅市場をめぐる環境は次第に改善に向かっているもようだ。NARのチーフエコノミストのローレンス・ユン氏は「消費者にとって在庫の選択肢は増え、住宅ローン金利は1年前より低下し、雇用創出は続いている。おそらく、一部の消費者は、次の選挙を前に住宅購入のような大きな出費を前に進めることにちゅうちょしているのだろう」と述べ、経済状況以外が減少に寄与したとの見解を示している。なお、米商務省が発表した9月の新築住宅販売は年換算で前月比4.1%増の73万8,000戸と増加し、新築と中古で対照的な結果となった。

住宅販売件数は金利や11月5日の大統領選挙動向に敏感に反応しているものの、特に戸建て住宅事業者の建設意欲は比較的堅調だ。商務省が10月18日に発表した9月の住宅着工統計は、全体が前月比0.5%減(前月:7.8%増)となったものの、これは集合住宅が4.5%減と需要減による押し下げの面が強く、戸建て住宅は2.7%増と増加している。先行きを占う住宅着工許可件数も同様の傾向で、5戸以上の集合住宅(前月比10.8%減)が全体を押し下げた結果、全体で前月比2.9%減(前月:4.6%増)となった一方、戸建ては0.3%増とプラスを維持した。こうした戸建てに関する事業者の見方は金利の上昇が見られた10月も変わらず、全米住宅建設業者協会(NAHB)と米国金融機関ウェルズ・ファーゴが発表した10月の住宅マーケット指数(HMI、注)は43と2カ月連続で改善した。NAHBのカール・ハリス会長は、こうした改善に関して「建設業者は、住宅ローン金利が今後数カ月で徐々に緩和されると予想している。多くの住宅購入希望者がおり、さらなる住宅供給が必要とされている」と述べ、中期的な需要の回復を見越したものとの見解を示している。

(注)NAHBに加盟する戸建て住宅建設事業者に対し、新築戸建て住宅販売の現状・見通しなどについてサーベイを行い、景況感を把握するもの。数値が高いほど、建設事業者の楽観度が高いことを意味する。

(加藤翔一)

(米国)

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