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米大統領選結果を受け、香港の有識者は輸出管理強化などによる影響を警戒(香港、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月12日 13時25分

米国大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ前大統領が11月6日に勝利宣言を行った。香港特別行政区政府は8日正午時点(日本時間)で正式なコメントを出していないが、今回の選挙が香港に与える影響について、香港メディアが有識者のコメントを次のとおり報じている。

香港大学の陳志武教授は「香港経済は、トランプ次期政権による中国製品への関税引き上げ、技術移転や先端分野での厳しい措置の導入により、ダメージを受けることは避けられない。他方で、トランプ氏の支持者の1人のイーロン・マスク氏は中国とのビジネス上の関係が強く、当該措置の抑制力となる可能性がある」との見解を示している(「サウスチャイナ・モーニングポスト」紙11月7日)。

中国国務院香港・マカオ事務弁公室が設立した公的シンクタンクの全国香港マカオ研究会の劉兆佳研究員は「香港に対する敵対的な姿勢が強まる」と指摘し、「先端分野に対する輸出管理の強化が進み、香港のイノベーションや技術発展の機会が抑えられ、個人に対する米国の制裁が強化されるだろう」と警戒感を強める。一方で、「米国は香港に対して貿易黒字を計上しており、香港が懲罰的な措置が取られることはないだろう。米ドル覇権の維持に貢献している香港の金融センターとしての機能をまひさせることもない」との見方を示している(同紙11月7日)。

エコノミストの李兆波氏は地元紙の取材に対し、今後の香港経済の見通しを語った中で「2025年のトランプ氏の米国大統領就任後、(次期政権の)経済政策や対中政策を見る必要がある。2025年半ばにならないと、今後の香港経済の先行きを見通すことは難しい」とコメントした(「明報」11月11日)。

また、米国と香港との経済関係を見通す上で、2024年9月に米議会下院が可決した「香港経済貿易代表部認証法案」の行方も焦点の1つとなる。同法案が成立すると、現在ワシントン、ニューヨーク、サンフランシスコにある代表部の3つの米国事務所が閉鎖される可能性が指摘されている。同法案について、香港大学の黄裕舜助教授は「現在の条文案は、ほぼ修正されることなく、議会を通過するだろう。われわれが現実的に想定すべきは、香港に対する米議会の圧力が強まることだ」との見方を示した。香港立法会議員の陳仲尼氏は「香港政府は非政府組織など、代表部に代わる新たな組織の設立を考える必要がある」と言及した(「サウスチャイナ・モーニングポスト」紙11月8日)。

(奥田岳慶)

(香港、米国)

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