アフリカのフランス語圏からフランス、アラブ語圏から湾岸諸国への移民が多数(アフリカ、中東、フランス、エジプト)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月10日 0時0分
国際移住機関(IOM)とアフリカ連合委員会(AUC)は3月26日、「アフリカ移住報告書(第2版)」を公表した。同報告書によると、2020年は、北アフリカのフランス語圏からフランスへ、また、エジプトとスーダンなどのアラブ語圏から湾岸諸国への移民が多かった。移民数をみると、最も多かったのはアルジェリアからフランスへの移民であり、次いでモロッコからフランスへ、エジプトからサウジアラビアへの移民が多かった。
2020年のアフリカ各国からアフリカ域外への移民数の上位は次のとおり。
アルジェリアからフランス:約164万人
モロッコからフランス:約106万人
エジプトからサウジアラビア:約96万人
エジプトからアラブ首長国連邦(UAE):約90万人
モロッコからスペイン:約79万人
スーダンからサウジアラビア:約48万人
モロッコからイタリア:約45万人
チュニジアからフランス:約44万人
エジプトからクウェート:約42万人
ナイジェリアから米国:約40万人
ソマリアからイエメン:約28万人
アフリカ域外からアフリカ各国への移住をみると、パレスチナからリビア(約31万人)への移民が多かった。アフリカ域内では、ブルキナファソからコートジボワール(約138万人)、南スーダンからウガンダ(約102万人)やスーダン(約87万人)など治安が悪い国から近隣国への移住が多かった。
アフリカ域内の国際移民数は、2015年には1,850万人だったが、2019年には2,100万人に増加した。アフリカ各国からアフリカ域外への移民の合計は2015年に1,700万人だったが、2019年には1,900万人に増加している。
同報告書によると、移住の主な要因は、経済格差、政情不安、干ばつなどの気候変動の影響だという。なお、アフリカ連合は経済的な利益を促進するために、自由移動議定書を採択し、アフリカ域内の自由移動を推進している。アフリカ自由貿易圏(AfcFTA)や自由移動の枠組みがさらに推進されれば、食料安全保障の強化、貧困の緩和、雇用創出・所得向上につながる可能性があるとしている。
(井澤壌士)
(アフリカ、中東、フランス、エジプト)
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