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連邦政府、2024年国家水素戦略を発表(オーストラリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月27日 0時25分

オーストラリア連邦政府のクリス・ボーウェン気候変動・エネルギー相は9月13日、「2024年国家水素戦略」を発表した。2019年11月に初めて発表した国家水素戦略について、その後の国際市場の変化や他国の支援策の動向などを踏まえ、改定版として出したもの。

同戦略では、クリーンで革新的、かつ安全で競争力のある水素産業の創出をビジョンとして打ち出した。また、水素産業が地域社会や経済に恩恵をもたらし、ネットゼロへの移行を実現可能とするほか、同産業でオーストラリアが世界の主要プレーヤーの地位を確立するとしている。その上で、ビジョン達成のために4つの目標と34の行動を示した。4つの目標は次のとおり。

1. 水素の供給:オーストラリアの水素産業が国際的な価格競争力を持つ
2. 水素の需要・脱炭素化:水素需要が今後最も見込まれる分野の特定と支援を行う
3. 地域社会への恩恵:地域社会が水素のメリットを認識し、恩恵を享受する
4. 貿易、投資、パートナーシップ:大規模な貿易を確立し、最適なパートナーとのビジネスを行う

前回の戦略では、「クリーン水素」という定義を用いて、化石燃料由来の水素と排出削減を組み合わせたブルー水素と、再生可能エネルギー由来のグリーン水素の両方に焦点を当てていたが、今回は主にグリーン水素を焦点にしている。また、前回戦略は水素の輸出が焦点だったが、今回の戦略では、輸出に加え、水素を必要とするグリーンメタル(鉄鋼、アルミナ)、アンモニアのほか、トラックや飛行機など運輸業のような国内産業の脱炭素化を進めながら水素の国内需要も生み出していくという新たな視点を取り入れている。さらに、戦略のサマリーでは、「グリーン水素は、連邦政府のイニシアチブである脱炭素分野の産業支援を行うフューチャー・メードイン・オーストラリア〔支援予算総額227億オーストラリア・ドル(約2兆2,473億円、豪ドル、1豪ドル=約99円)〕(2024年4月22日記事参照)の主要産業の1つとなる」と説明している。

前回の戦略では言及のなかった水素の生産と輸出について数値目標も示した。生産(注)については、5年ごとの目標に加え、2050年までに少なくとも年間1,500万トンの水素を生産する目標を掲げた。輸出については、2030年までに年間20万トンのグリーン水素を輸出する目標を設定した。

(注)戦略では、2050年までに年間1,500万トン生産するという基本目標のほか、基本目標からさらに伸びた場合(Stretch potential)の目標値も示し、2050年までに年間3,000万トンの水素を生産する可能性があるとしている。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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