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ジェトロ・バンコク事務所開設70周年フォーラム、今後の日タイ共創に向けた事業構想や意見を交換(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月27日 0時55分

ジェトロは9月24日、バンコク事務所開設70周年記念フォーラムを開催し、日タイ有識者によるパネル討論や、スタートアップによるピッチイベントを実施した。ピチャイ・ナリプタパン商務相やピパット・ラチャキットプラカーン労働相、バンコク都のチャッチャート・シッティパン知事、大鷹正人・駐タイ日本大使をはじめ、200人を超える日タイの政財界関係者が出席した。

写真 左から黒田淳一郎ジェトロ・バンコク事務所長、チャッチャート知事、石黒憲彦ジェトロ理事長、ピチャイ商務相、ピパット労働相、大鷹大使(ジェトロ撮影)

左から黒田淳一郎ジェトロ・バンコク事務所長、チャッチャート知事、石黒憲彦ジェトロ理事長、ピチャイ商務相、ピパット労働相、大鷹大使(ジェトロ撮影)

フォーラム冒頭のあいさつでジェトロの石黒理事長は、ジェトロの活動理念に触れ、オープンイノベーションの重要性を強調するとともに、脱炭素分野でのマッチング支援などのジェトロの活動を紹介。首相代理として出席したピチャイ商務相は、今後もジェトロが日タイの結びつきを強化するための活動を推進していくことに期待を示した。

写真 石黒理事長(ジェトロ撮影)

石黒理事長(ジェトロ撮影)

写真 ピチャイ商務相(ジェトロ撮影)

ピチャイ商務相(ジェトロ撮影)

ジェトロの黒田バンコク事務所長は、タイ投資委員会(BOI)、東部経済回廊(EEC)事務局との協力覚書の更新に加えて、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との新たな連携協力協定の締結を発表した。

パネル討論では、日タイ経済に関わるパネリストが今後の両国協力の方向性を述べた。タイ商工会議所(TCC)のカリン・サラシン名誉会長は、日本の優れた医療機器・医薬品、安全な食品、高齢者向けモビリティーなどの有望分野を述べた。泰日経済技術振興協会(TPA)のプラユーン・シオワッタナー会長は、水素などの新エネルギーや高齢者介護に関する日本の技術革新をタイに取り入れたいと考えているとして、ジェトロに協力を求めた。

写真 パネル討論(ジェトロ撮影)

パネル討論(ジェトロ撮影)

ピッチイベントでは、日系のスタートアップなど6社が各社のタイでの事業共創にかかる取り組みを紹介した。概要は次のとおり。

写真 スタートアップによるピッチの様子(ジェトロ撮影)

スタートアップによるピッチの様子(ジェトロ撮影)

アルガルバイオ:藻類を用いて、二酸化炭素(CO2)の固定化や廃水浄化など、さまざまなソリューションを提供。タイではセメント会社、石炭火力発電会社と実証実験を計画。
サーマリティカ:新たな断熱材料を開発。エネルギー分野をはじめ、さまざまな用途で利用可能。タイでは現地企業と協力して活動し、将来的には現地生産も見越す。
てっぺん:一人客の外食需要を見越し、海鮮おまかせ丼チェーンを展開。人工知能(AI)技術を使ったおすすめ機能や、配達提案などを行うアプリを開発。将来的にタイで上場を目指す。
リッスンフィールド:日本政府の奨学金を受けて来日したタイ人起業家が日本で創業。データ解析技術を用いて土壌分析、肥料分量、天候予測を行い、育成すべき作物と収穫予測を提供。
リカーシブ:AI技術を用いてさまざまな社会課題解決策を提案。同社全体で約60人のAIエンジニアが在籍。タイでは気象データを生成するAIで、炭素削減やエネルギー、農業などへの応用を見込む。
アイスペース:月に貨物を輸送するサービスを展開。日本とタイの航空セクターで連携し、タイ市場でのコラボレーションを探る。

(藤田豊、北見創)

(タイ)

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