EU指令に基づき、ペットボトルとキャップの一体化を義務付け(フランス)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月3日 1時20分
フランス政府は、7月3日から3リットル以下の飲料用ペットボトルや紙パックにキャップの一体化を義務付ける。2019年6月5日付のEU指令を国内法化したもの。2020年12月28日付デクレ(政令)で規定し、指令で定められた期日(2024年7月3日)から施行する。
EU指令は、加盟国に対し「市場に投入できる使い捨てのプラスチック容器は、キャップが容器と一体化したもののみ」とすることを規定している。対象となる使い捨てのプラスチック容器は、ポリエチレンを内部にコーティングしている紙パックも対象となる。ガラス製、金属製の飲料容器は対象外となっている。食品用紙容器大手のテトラパックは、同規制に対応するため、ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏のシャトーブリアンの工場に2021年末から2023年までに1億ユーロを投資し、一体型のキャップの製造体制を整備した。
同規制は、使い捨てのプラスチック容器が環境に与える影響を低減するための一環として、回収、リサイクルを容易にし、プラスチックのキャップが自然界に廃棄されることを防ぐための措置として導入された。
ドミニク・フォール内務・海外領土相およびエコロジー移行・地域結束相付 地方自治体・農村問題担当相は、同規制が航空機や船舶など国境を越える交通機関内で使用される容器にも適用されるかどうかという国会での質問に対し、「指令は、目的地がEU域内の国の場合は出発地を問わず同規制の対象となる」と回答した。
EUでは、現行の包装・包装廃棄物指令に基づき2025年までにプラスチック包装のリサイクル率を50%とする目標を掲げている。家庭用容器・包装のリサイクルを管理する非営利団体のシテオ(CITEO)によると、フランスの2022年の家庭用プラスチック包装のリサイクル率は24.5%となっている。欧州委員会は2023年6月8日、フランスがプラスチック包装廃棄物に関し、目標を達成できない恐れがあると指摘している(2023年6月14日記事参照)。
(奥山直子)
(フランス)
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