IEA、パンデミック後の世界石油需要拡大はほぼ一巡、1月の需給はタイトと発表(中東、世界)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月1日 0時10分
国際エネルギー機関(IEA)は2月の石油市場月報で、「世界の石油需要の伸びは勢いを失いつつあり、(新型コロナウイルスの)パンデミック後の世界石油需要の拡大はほぼ一巡した」と報じた。中国の需要の急激な落ち込みにより、世界の石油需要は日量830万バレル減少し、拡大ペースはさらに減速する見通しだ。拡大分の需要の大部分は主に中国やインド、ブラジルが占め、2024年の世界の石油需要拡大分の78%はこれらの国々で占めるとみられる。
加えて、IEAは、2024年は米国、ブラジル、ガイアナ、カナダが主導する石油供給量の増加が予想される世界石油需要の増加を上回ると予測しているが、1月の石油市場は想定よりも需給が引き締まったとした。紅海でのフーシ派による商船への攻撃(2024年2月19日記事参照)や、強力な寒波の影響を受けた米国、カナダの原油供給停止に、OPECプラスによる自主的減産も重なり、世界の石油供給は前月比で日量140万バレルの大幅な減少となった。OPECプラス以外の原油供給量の増加は2024年第2四半期(4~6月)に再開し、以後、2024年は生産量が増加軌道に乗るとしている。
IEAは2月に設立50周年を迎え、石油供給の安全保障は依然として極めて重要な問題だとした。
一方で、OPECは2月13日に発表した月報で、石油需要の伸び率は前月の発表と変わらないとした。欧州の需要減少を米国の需要増加が相殺するとしている。世界の石油需要は中国や中東を中心とした非OECD諸国の航空や自動車などの輸送燃料、建設、農業活動などに支えられるとした。中東では、特に航空需要の回復によって石油需要が伸びており、近年の石油化学製品の発展による原料需要の増加と相まって、需要拡大が予想されている。需要拡大は2025年まで継続するとされ、2024年では前年比日量38万バレル、2025年では前年比38万2,000バレル成長するとみられている。
(吉田柚葉)
(中東、世界)
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