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ボーイング、米サウスカロライナ州拠点に10億ドルを投じ787型機の生産能力を拡張へ(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月18日 0時50分

米国サウスカロライナ州商務省は12月12日、航空機製造大手のボーイングが同州チャールストン郡での事業拡大を計画していると発表した。10億ドルを投じて既存施設のインフラ整備を実施し、今後5年間で新たに500人を雇用する予定だ。

ボーイング・サウスカロライナ(BSC)は2009年に操業を開始し、長距離用中型ワイドボディ機のボーイング787ドリームライナーの全ての生産サイクルの拠点として、派生型の787-8、787-9、787-10の製造や組み立てを行ってきた。今回、ノースチャールストンの2つの製造施設を拡張して、ボーイング787を増産するとともに、将来の需要増加にも対応する予定だ。拡張投資により、2026年までに月産10機の体制を計画している(注1)。なお、同社は、ノースチャールストンと、2024年6月にGKNエアロスペースから買収した同州オレンジバーグ郡の施設で計7,800人以上を雇用している。

2024年9月13日から約8週間にわたり続いたボーイングのストライキ(2024年10月25日記事2024年11月8日記事参照)では、ボーイング787を除く全ての民間航空機の生産が停止した。同社は、必要な資金を生み出すために航空機の生産量を増やそうとしているとの見方がある(ロイター12月12日)。

同州のヘンリー・マクマスター知事(共和党)は、発表の中で「ボーイングがチャールストン郡での事業拡大を決定したことは、航空宇宙産業のリーダーとしてのサウスカロライナの地位をさらに強固にする」と述べた。また、同社の787プログラム担当副社長兼ゼネラルマネージャー兼BSCサイトリーダーのスコット・ストッカー氏は「この決定は、従業員、787プログラム、地域社会に対するボーイングのコミットメントを反映している。われわれ自身のため、そしてパルメット州(注2)の将来の世代のために、BSCで遺産を築いている」と語った。

サウスカロライナ州には、ボーイングのほか、ロッキード・マーチン、RBCベアリングスをはじめ400社以上の航空宇宙関連企業が集積している。同州によると、2023年の航空宇宙関連製品の同州外への輸出は66億ドルに上り、同州で2番目に輸出額の大きい産業となっている。

(注1)787の生産量は、2024年第3四半期の業績発表時点(2024年10月23日)で月産4機。シートと熱交換器の調達遅れのために2024年初めに生産レートを下げた後、2024年第2四半期の業績発表(2024年7月31日)で、2024年末までに月産5機に戻すと発表していた。

(注2)サウスカロライナ州の愛称。

(横山華子)

(米国)

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