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米NY市、難民申請希望者の流入減少に伴い最大の保護施設の閉鎖発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月16日 0時15分

米国ニューヨーク(NY)市のエリック・アダムス市長(民主党)は10月9日、難民申請を希望する移民のNY市内への流入が減少したことにより、ランドールズ島の難民申請者保護施設を2025年2月末に閉鎖し、もともとあった運動場と公園の修復に投資すると発表した。これにより、NY市の歳出を20億ドル節約できるという。

国境警備を強化する大統領布告により、発表によると、市内の保護施設に滞在する難民申請者の数は14週連続で減少し、過去1年以上で最低となった。NY市は既に、ランドールズ島の収容人数を減らし始め、島内にある750以上の簡易ベッドを収容していた最大の施設の解体を始めている。

難民申請者を乗せたバスは2022年春ごろから、難民申請者の入国規制を支持するテキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)の指示により、NY市を含む難民に寛容な「聖域都市」に移送されていた。NY市は2023年8月、州政府と連邦政府が難民の増加に対して迅速な行動を取らない場合には、市の予定負担額が120億ドル以上を負担することになると発表した(2023年8月16日記事参照)。同月にはその後、NY市の非営利団体パートナシップ・フォー・ニューヨーク・シティーが「難民申請者が次々に米国内に流入し、人道的危機にさらされていることに経済界も懸念している」とする、市内に拠点を構える130以上の大企業などが署名し、ジョー・バイデン大統領と連邦議員に宛てた書簡を公開した(2023年9月1日記事参照)。同年12月には、NY市のアダムス市長、シカゴ市のブランドン・ジョンソン市長(民主党)、デンバー市のマイク・ジョンストン市長(民主党)が共同で連邦政府に対し、米国の難民申請希望者を管理するための追加支援を連邦政府に求めた(2024年1月5日記事参照)。

こうした状況を受け、バイデン大統領は2024年2月、国境を越える不法移民が一定数を超えた場合、大統領が一時的に国境封鎖できる権限などを与える「2024年緊急国家安全保障追加歳出法」を支持すると発表した(2024年2月6日記事参照)。この案は5月に米連邦議会上院によって否決された(2024年5月31日記事参照)ため、バイデン大統領は翌6月、南部の国境で不法移民との遭遇件数が一定数を超えた場合に入国制限措置を取る大統領布告を発表した(2024年6月5日記事参照)。

税関・国境警備局(CBP)によると、国境警備隊が不法移民と遭遇した件数は2024年6月に2021年1月のレベルまで下がったとしている。CBPの最新データとなる8月には、国境警備隊が不法移民と遭遇した件数は5万8,038件で、前年同月の3分の1程度に下がった。

(吉田奈津絵)

(米国)

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