2020年のCPIは前年比14.6%の上昇(トルコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年1月14日 0時20分

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トルコ統計機構(TUIK)の発表(1月4日)によると、2020年の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比14.60%の上昇となり、2019年の11.84%、10月に修正された2020年の目標の12.1%を大きく上回った。国内生産者物価指数(D-PPI)上昇率も2019年の7.36%から25.15%になった。

2020年のCPIの推移をみると、9月以降は商品がサービスの上昇率を上回っている。また、通年で2割の下落となった通貨トルコ・リラ安が「為替相場のパススルー効果(注)」となり、物価上昇にも影響を及ぼした。

商品部門を項目別にみると、最大の構成比(23.29%)を占める「食品・飲料」が20.61%で、物価上昇に影響した。特に「未加工食品」が26.34%と大きく上昇した。また、白物家電や自動車、家具を中心とする「耐久消費財」が30.40%となった。他方、「衣料品・靴」は需要が低迷し、2009年以来となるマイナスを記録し、価格抑制に寄与した。

一方でサービス部門は、新型コロナウイルスによる需要減などを背景に、9月から上昇は抑えられており、「ホテル・レストラン」や「賃貸」は前年並みとなった。ただし、12月にインターネット料金が引き上げられたことなどから、「通信」は12月に前月比で上昇した。また、医療、保険、弁護士費用の増加がみられ、「その他のサービス」は前年比15.14%の上昇になった(添付資料表1参照)。

国内生産者物価指数(D-PPI)上昇率も、リラ下落の影響に加えて、工業用金属などの国際商品価格の上昇もあり、前年比25.15%となった(添付資料表2参照)。為替のコストプッシュ圧力は、2021年上半期にも継続するとみられる。

トルコ中央銀行は2020年12月の金融政策会議で、政策金利を200bp(ベーシスポイント、万分率)引き上げ、17.00%と発表した。11月にアーバル総裁が就任してから2回連続の利上げとなり(2020年11月25日記事参照)、市場の信認は高まっている。アーバル総裁は、「物価の低下と安定が経済全体の安定に寄与する」として、金融引き締めの維持を強調した。

しかし、中銀が信認回復を図っているにもかかわらず、政府発表の統計数値に対する信頼性には疑義が呈されている。TUIKの発表と同時に発表された、独立調査機関のENAグループの調査によると、2020年通年のCPI上昇率は36.72%だった。世論調査会社メトロポールが12月に行った調査でも、回答者の5割以上が30%以上の物価上昇を体感するとしており、11月のTUIK発表値(14.03%)と同程度の体感と回答したのは約12%にとどまっている。

(注)為替レートが変化したときに、その変化が貿易財価格の変化として反映される効果。

(中島敏博)

(トルコ)

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